登山道最難も納得ー鋸岳 釜無川ルート・第二高点往復

■日時 7/30
■場所 南アルプス鋸岳(釜無川ルート~第二高点往復)
■メンバー Yone (記)
■タイムテーブル
7/30
0:30 釜無川ゲート
3:00 旧造林小屋
5:00 横岳峠
7:30 2607ピーク
8:30 第一高点
9:00 小ギャップ
10:00 大ギャップ
10:30 第二高点
12:30 第一高点
15:00 横岳峠
16:30 旧造林小屋
20:00 釜無川ゲート

噂では何回も耳にしながら、なかなか訪れる機会がなかった鋸岳。ただ第一高点まで行くのではもったいないので冬山の偵察とトレーニングを兼ねて、釜無川から第二高点まで往復してみた。林道は崩壊し、核心部は往復、土砂降りに会い、クマとタヌキを目撃と盛りだくさんの山行であった。

このルートは第一高点までなら日帰りとなる。しかし今回は林道が崩壊していること、第二高点まで往復をする予定であるので釜無川ゲートを0:30に出発する。月夜で林道は煌々と照らされている。木が生い茂っていなければヘッデンなしでも全く問題ない。途中で目が光っている動物が二頭。鹿かと思ったら背が低い。逃げないのでそのまま近づくとタヌキであった。

7.5km付近から林道が荒れてくる。本来は林道があったはずであるが、80mほどすっぽり崩壊している。

行きは暗かったので林道の写真はすべて帰りである。林道崩壊部のわたり方としては2通り、まだ土砂が斜面に残っているような小規模崩壊であれば、慎重なトラバース。大規模崩壊し完全に林道部分がえぐれていれば川床に降りてから巻きである。

こちらはガードレールまで崩壊している。

ここは川床への降り方が結局よくわからなかった。行きは木の根っこをつかみながらずるずると崩れながら降りた。帰りも木の根っこをつかみながら慎重に体を引き上げたが、明らかに悪い。おそらくは来た道を50mほど崩壊部を折り返して川床に降りるのだと思う。

旧造林小屋でもまだ暗い。とりあえずままよと左岸を進み始めるが、明らか悪い。よくよくみてみると川床にむかって赤テープが伸びている。弱った、どうやらここからは赤テープに従って進むようである。赤テープに導かれ右岸にわたっていく。しばらく進むと赤テープが見えなくなってしまった。まだこの辺りも暗いのでよくわからない。いづれにしても右岸はそれ以上進めないので、左岸に渡渉する。ここからは川に近いところを飛び石のように進んでいく。帰りに確認したところろ、左岸に渡渉後さらに5mほど樹林帯に入ると赤テープがあることがわかった。この時点では赤テープを見つけることをあきらめ沢沿いに進む。

しばらく川沿いに進むと赤テープがまた出現した。赤テープについていくと左側は水流があり、右側は涸れ沢、間に顕著な尾根の末端が見えてきた。よくよく見ると「富士川の水源」と書かれた標識が書かれている。とりあえずこれでルートには戻ったようだ。富士川の水源は氷のようにキンキンと冷えた水であり、ここで喉を思いっきり潤しておく。今日も暑くなりそうだ。

ここからは赤テープに導かれて尾根を進んでいく。ところどころトラロープも張られていてわかりやすい。横岳峠には5:00到着。ずいぶん明るくなってきた。

地図ではそうでもないがここから2607ピークまで急斜面のアップダウンを繰り返す。単調な道であるが地味に体力を削られていく。2607ピークにつくと第一高点がようやく目に入ってきた。想像していたよりも緑に覆われていたので、ちょっと気が楽になった。

ここからはそれほどアップダウンもなく、岩場で歩きやすい。一時間ほどで第一高点到着、8:30でありまだそれほど暑くはない。

しかし今回の目的は核心部の偵察。すぐに小ギャップへと向かう。

小ギャップは第一高点側、第二高点側ともしっかりした鎖が用意されている。

 

時間短縮のために登り、下りともに鎖を利用したが、登りはともかくとして下りは懸垂下降が無難である。思ったより立っているし、見かけより距離があった。小ギャップを越えると左に屈曲した岩尾根を進む。2mほどしたに鹿窓に続く踏み跡があるが、その2mが案外悪い。どん詰まりまで行ってみたら鹿窓上部へつづく岩尾根のギャップに出てしまい進めなくなる。しょうがないので5mほど戻って木の隙間から体をずりずり降ろす。

核心部は全体的に悪くはないのだが、登山道として明らか悪く、よくわからない箇所が複数あった。

踏み跡をたどるとすぐに鹿窓に出る。

鹿窓の入り口左側斜面に踏み跡があり、さらにロープを張ってある。おそらくここが第三高点へのアプローチだろう。帰りに確認することして、まずは鹿窓に潜り込んでいく。鹿窓にもしっかりした鎖が張られているので危険はない。ただし鎖が動くことで鹿窓ルンゼにむけて落石の嵐であり、グループであるならばかなり時間がかかる。

鎖が切れたらすぐに右側の斜面にある踏み跡をたどる。そのまま鹿窓ルンゼに入ってしまうと落石の嵐に突入であきらか悪い。踏み跡は30mほどで鹿窓ルンゼに降りていく。鹿窓ルンゼ右岸に生えているダケカンバ(じゃないかもしれない)を目指す。ここまで来たら鹿窓ルンゼを5mほどトラバースして左岸側に回り込む。巨大な岩塊斜面をぐるっと反時計周りに回り込むと大ギャップに出る。

大ギャップは初見だとかなりわかりずらかった。大ギャップに降りるところに踏み跡が何か所かある上に、対岸でどこを登ればよいかわからないので結局大ギャップのコルまでいって折り返してきてしまった。鹿窓ルンゼから回り込んだところの正面に見える草付きルンゼを登るのであった。

鹿窓ルンゼから回り込んだら、まず20mほど踏み跡をたどって大ギャップを上側に向かう。浮石でわかりづらいが、ある程度しっかりした岩をたどり大ギャップに降り立つ。5mほど下に向かったら、大ギャップをトラバースする。

トラバースしてから来た道を振り返る。

鹿窓から大ギャップはお花畑であり核心でありながら心が癒される。

トラバース後はそのままギャップ左岸側の踏み跡に入れる。この踏み跡を慎重に降りていくと自然に草付きルンゼに入っていく。草付きルンゼに入ったら左側の岩壁からなるべく離れるように踏み跡をたどる。

岩壁沿いのルンゼは浮石だらけでありとても進めない。踏み跡をたどっていくと自然に尾根に第二高点から延びる尾根に入る。そのまま進むと第二高点である。

第二高点到着は10:30。すでにガスが出てきていたので中川乗越まであしをのばすのやめて戻ることにする。

鹿窓まで戻ったら第三高点へのアプロ―とを確認する。ここはしっかりした岩尾根を進むと5分ほどで第三高点に到着。そのままさらに5分ほど降りると大ギャップへ降りるために懸垂始点があった。懸垂に慣れているのであれば夏でもこちらのルートのほうが安全に思える。

第一高点には12:30到着。マッピングと第三高点偵察により結局行きとおなじ二時間を要した。

横岳峠に到着したときにはすでに雨につかまってしまいぬれねずみ。運がいいことに富士川の水源では雨がやんでくれた。旧造林小屋で服と靴下をしぼって少々休憩。さすがに疲れてきた。小屋から出たところで熊が河原にむかって走っていくのが見えた。しばらく様子を見ていたが林道側に戻ってくる様子はないために一目散に脱出。

つかれてよれよれになりながらゲートには20:30到着であった。


投稿する

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)