尾白川黄蓮谷右俣

■日時 8月03日(土)〜04日(日)
■場所 甲斐駒ヶ岳 尾白川黄蓮谷
■メンバー  ぐんそーさん、some2(記)

08/02(金)

都内集合22:00頃→(車)→道の駅はくしゅう→車中泊

某レンタカー屋さんで集合したところ、偶然北岳バットレスへ向かうお二人と遭遇した。さすがは某レンタカー屋さん(笑)。この日は道の駅まで車で向かい車中泊。

 

08/03(土)

道の駅はくしゅう→(車)→矢立石登山口6:30頃→林道→尾白川入渓8:00頃→女夫滝→噴水滝→黄蓮谷出合11:00頃→千丈ノ滝12:00頃→左俣右俣分岐13:30頃→幕営

トポによっては5合目からの入渓となっているが、せっかくなので下から遡行した。通常2泊3日のルートを1泊2日で抜ける計画だったので、巻けるところは巻いていくスタンスで臨んだ。入渓すると滝の一つひとつ、河原の岩一つひとつのスケールが大きく、アルプスの沢に来ていることを実感した。谷の名前の由来の通りなのか、沢の水は黄色がかっていた。どんな成分が含まれているんだろう?沢特有の臭さは他の沢と大差なかったけど…。

直登が難しそうな滝には明瞭な巻き道があり、初日は比較的順調に進んだ。ペース的には奥千丈ノ滝手前あたりまで行けそうだったのだが、左俣との分岐に差し掛かったあたりで雷雨となってしまい、遡行を中断して幕営地を探すことになった。あまり良いポイントが見つからず、かなり急斜面でビバークすることになった。雨と傾いた地面のせいで焚火はできず、食料として持ってきた水戻しパスタを荷物の中にぶちまけてしまっため荷物が悪臭を放ち、眠っていると体が何度もマットから滑り落ち、久々に辛い幕営となった。

08/04(日)

幕営地5:30頃→奥千丈ノ滝→奥ノ滝→甲斐駒ヶ岳山頂18:00頃→黒戸尾根→駒ケ岳神社→矢立石登山口

朝起きると天候は回復し、綺麗な青空になった。幕営地点から右俣に下降し遡行再開。左俣との分岐を過ぎたあたり登攀要素が強くなっていった。ロープを出す機会が増え、ルーファイ(オブザべ)にも時間がかかるようになってきて、必然的に遡行スピードが落ちていった。登ってみると結果的にロープは必要なかった、という場面が何度かあったが、初見だとそういった判断は中々難しい。

それまで大きな滝では巻くことが多かったが、奥千丈ノ滝は直登することができた。どこまでが奥千丈でどこからがその次の滝か判然としなかったが、4~5ピッチくらいロープを出した。一度私がリードした際にルーファイを誤り、進退窮まりかけ脇の藪に何とか脱出しピッチを切る場面があった。おそらく不用意に水線から離れ、悪場に吸い寄せられてしまったことが原因だと思う。反省。ただこの経験から、ヌメった岩ではどのくらいの傾斜やホールドになると登攀困難なのか、何となく掴めた気がする。

奥千丈ノ滝を過ぎても大きな滝が次々現れ、二人ともだんだんうんざりしてきた。逆さくの字ノ滝の先に出てきた名称不明の20mくらいの滝は、クラック沿いを登ったがかなり悪かった。ぐんそーさんがリードで登り、エイドを交えて突破していった。私はフォローだったのでフリーで登ってみたが、下から見ていたよりずっと悪くてびっくりした。疲れが出てきていたせいだと思うが、荷物を背負って登ると5.11くらいの強度があるように感じた。

詰めの前には、奥ノ滝3段が控えていた。1段目は左岸を簡単に巻けたが、2段目は右岸側にあるという巻き道がよくわからなかった。かと言って直登できる雰囲気でもないので、右岸の逆相スラブ帯を登ることにしたのだが、リードで取り付いてみたところかなりヤバかった。右側のスラブ(ヌメヌメ)にはホールドがなく、左壁にはにクラックがあるのだが苔がびっしり詰まっていた。ところどころに生えている草をつかもうとすると根っこから抜けてしまい、泥にバイルを突き刺そうとしても量が少なくて下の岩をこするだけという状況。結局苔のせいでちゃんと効いているのかよくわからないカムを決め、かなりランナウトして逆相スラブ帯を抜けた。その間はずっとワイドっぽいステミング登りで、思いもよらず今年一番しびれるクライミングとなった。3段目は懸垂で対岸に移ったところ、明瞭な巻き道を発見できた。

奥ノ滝を過ぎるとさすがにもう難所は無く、ぐんそーさんのルーファイの冴えでスムーズに稜線まで抜けることができた(この辺私はもう少しうまくできるようにならねばと感じた)。ぐんそーさんがに行ったことがないとのことだったので一応甲斐駒山頂まで向かった。山頂は夕暮れ前の空にガスがかかっていてなんだか幻想的な雰囲気だった。

そのあとはうんざりする長さの黒戸尾根をヘッデン下山し、日付が変わるころに車を回収、某レンタカー屋さんに車を返却した。そして始発に乗って一旦帰宅し、着替えてそのまま出社した。とてもハードな山行だった。


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