谷川岳一ノ倉沢 衝立岩中央稜

■日時 5月 18日(土)

■場所  谷川岳一ノ倉沢 衝立岩 中央稜

■目的  アルパインクライミング

■メンバー  ayaさん、タナミー(記)

■天候  晴れ(強風)

■記録 タナミー

烏帽子岩の南稜を目当てに、朝6時に眠い目をこすりながら、出合まで向かった。

国道293号線だけあって、出合までしっかり除雪したようだ。といっても雪の回廊が残っていたのは、一ノ倉沢出合のみだった。

一ノ倉沢出合
ちっさい雪の回廊

出合には9,10人くらいの大所帯がギアの準備をしていて、もしやと思ったが、そのもしやは、やはり的中だった。

出合の近くで軽アイゼンを付けずにアプローチを始めたので、途中で後悔した。ヒョングリの滝あたりの傾斜では、ゴルジュハンマーのピックと石突きに助けられながら登ることになったからだ。

テールリッジの末端

テールリッジを登り始めると、やはりリッジなので風の抜けが良く、薄手のシェルを羽織ることになった。

衝立岩中央稜の取り付きに着く頃に、デプローチの三人組に話を聞くと、今日は風強すぎだから下山する、南稜には10人パーティが行く、と教えてくれた。

「うーむ、3.4組のリードとフォローの登攀を取り付きで待つことになるのか。コマッタコマッタ」

そう思いながら、中央稜の取り付きに着くと残置の荷物もないうえに、誰もいなかった。

「ayaさん、中央稜でもよい?  パタゴニアみたいな強風に吹かれて待ってたら、カラダがたがたぶるぶるですよ」

了承をしてもらえたので、中央稜に変更した。一度は登ったのだが、そのときは衝立岩北稜の下降路を降りるのが目的だったし、登ったはずの中央稜の記憶も記録もないので、確かめるにはもってこいだった。

風が強いので、北稜の頭までは上がらずに満足したら降りてくるスタイルで登った。

1P目の終了点から

1p目。難易度は高くないが、さすがにこの距離のランナウトはないなーと思うあたりに、都合よくハーケンが見つかる。ナッツでもいいから、プロテクション取りたいなと周りを見回すと、ちょうど見つかる、そんなピッチだった。中央稜のリッジ状にあるテラスでピッチを切る。

2P目の終了点から

2p目。リッジを左にトラバースする出だし。つまり稜から外れて中央稜の側壁を登ることになるのだが、それが弱点のラインなので自然だと思う。ビレイ点から直上方向にピンはあったが、リッジ状のラインを強引に狙ったものだろう。一度リッジから外れたので、リッジに戻るトラバースがあるわけだが、そのあたりにハンガーボルトが1つある。これに惹かれてプロテクションを取ると、トラバース中にロープが鋭角に曲げられて重たくなるだろう。谷川アルパインぽさが多分にあるリングボルトでできたビレイ点で後続を迎える。リッジに出たので、風に吹きさらしになり寒かった。

3P目の始めから

3p目。中央稜のリッジを登って行く。ピンも豊富にあり、ただただ登って行くと30mを超えたあたりで終了点になるようなハンガーにたどり着く。

4p目の始めから

4p目。登りながら行く手のルンゼを見てるわけだが、近づくにつれてホールドが乏しくなり、しっかりと硬い岩でなくなってくる。チムニーに入り込むと奥の方でハンドジャムがバッチリ効くところがあるので、そこで安定点を求めてしまうとルンゼから抜け出すのが怖くなる。抜け出そうとすると背中側の岩がザックと干渉に苛立つが、左手側の目に入らない死角にあるホールドを丹念に探り、ムーブを決めれば抜けられた。チムニーを抜けたところに見事なテラスがあり、ハーケン・リングボルト4つでピッチを切った。ルートの核心ピッチになるわけだが、内容的はネチっこくホールドを探して、ジワリジワリと登高するスタイルなので、快適でなかった。

5p目。リッジから外れて中央稜のピナクルまで登るピッチ。ピナクルに上がるところが、若干前傾になっているが、ステミングできれば容易に上がれた。

5pまで登り、リードもフォローもビレイ時に風に吹かれるのに飽きてきた、ということで懸垂下降にて取りつきに戻った。

テールリッジを下り、雪渓に降りる前にちゃんと軽アイゼンをつけ、ゴルジュハンマーを片手に雪渓を降った。

ベースプラザに戻ったのは17時前で、自分の数回の一ノ倉山行のなかで一番早い帰還だった。お風呂に入って汗を流し、東京に戻った(お風呂に入ったせいであしま園がクローズしてしまったのは残念!!)。

 

 

 


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