谷川岳 マチガ沢

■日時 4月8日(土)〜4月9日(日)

■場所  谷川岳 マチガ沢

■目的  雪上訓練

■メンバー  S山さん、タナミーさん、ツッキー(記)

■天候  4/8  朝のうち小雨のち曇り  4/9 朝から雨

■訓練メニュー

4/8  滑落停止、スタンディングアックスビレーでの滑落者停止方法、ビーコンとゾンデ棒の使い方

4/9  朝から雨のため中止

■コメント

金曜日夜10時、練馬駅に集合し、S山さんカーで出発。都内は桜が満開で気温も高めだったが、水上インターを降り、いつものセブンイレブンに寄った時にはかなり寒さを感じた。

深夜0時半、土合駅到着。待合室では既に大勢の登山者が就寝中。私達は改札の中に入りテント設営し、いつものようにお酒で乾杯。ここで、ただいま、酒に合う、簡単で美味しいおつまみの研究開発中という、S山さんが、コーンの缶詰にチューブ式のバターをたっぷり目に入れ缶詰ごと直火で温めるというおつまみを作ってくださった。(いわゆるバターコーンですね)これがなかなか美味しかった。

「明日は、訓練するのはお前たち2人だけだから、そんなに出発も急がなくていいぞ!」と言うことで、2時半就寝、7時半起床となった。

私達が起きた時には、勿論、もう誰もいなかった。ベースプラザに車を止め、8時半頃、登山指導センター前から雪道を登り始めた。

林道にはまだまだ、大量の雪が残っていた。沢筋には大規模な雪崩の痕も。3月の那須での痛ましい雪崩事故の直後なので、いつも以上に山側の雪の状態に注意しながら歩いた。S山さんからも、危険な箇所はなるべく急いで通過するようにとアドバイスを頂く。

9時過ぎにマチガ沢に到着。どこかの登山教室なのか、既に大勢の人達が、幾つかのクループに分かれて、ワー!とかキャー!とか言いながら楽しそうに滑落停止の訓練をしていた。

S山さんが、3人じゃ盛り上がらないなー、せめて5~6人いればなーと寂しそうにつぶやいていて、なんだか申し訳ない気持ちになる。天気も曇り空だし、なんだか3人ともテンションが上がらず、しばらくまったりモードで休憩していた。

滑落停止に適した少し傾斜の強い斜面は既に団体さんが使っていたので、私達は、マチガ沢の入り口付近の適当な斜面で練習をすることになった。

まずは、ザックを置いて空身での滑落停止を何回か練習し、その後、登山中に万が一滑落してしまった場合はザックを背負っているわけなので、ザックを背負って練習してみた。しかし、ザックがあると体を回転させ、うつ伏せ状態になることが、途端に難しくなってしまう。

ザックを背負っての滑落停止 うつ伏せに体を返すのが難しい

しかも、縦走などの場合、ザックの重量だけでも軽く20キロは超えてしまい、その分加速度も増してしまうわけで、スムーズに体を回転させて滑落停止させるのは至難の技となってしまう。

だから、やはり、反射的に体が反応出来るように初期制動の習得と、絶対に滑落をしない歩き方をしっかり身につけなければならないとつくづく思う。

続いて、スタンディングアックスビレーでの滑落者の停止方法を学んだ。ロープを流す(送り出す)ことで衝撃力を抑えるわけですが、このロープを流す感覚を掴むまでがとても難しい。最初の2~3回はガチ止めして、タナミーさんに衝撃を与えてしまった。

確保トレでのタイヤ止めの時も、ロープを流して肩絡みで止める訓練をしたわけだが、この時はビレイポイントよりも、前方へロープを流すけれど、スタンディングアックスビレーの場合は、ビレイポイントよりも後方へロープを流さなければならない。しかも、アックスを踏んでいる足は絶対に動かしてはならないので、とても難しい。

スタンディングアックスビレイの練習

その後、S山さんがリード役になってくださり、滑落してもらったが、ビレイヤーと、リードの体重差もかなりあり、滑落スピードも早かったので、下方向へ引っ張られる衝撃荷重に耐えらえず、体勢が崩れ、谷側へ引き倒されてしまった。

注意点として

①安定したビレイポイントのバケツを掘る際に、しっかり踏み固め、できるだけ平らにならす

②基本だが、必ずロープを捌いておく

③アックスは、まっすぐ垂直に差し込む

④アックスに通すスリングは、輪の直径は15㎝ぐらいにする(長くしすぎない)

⑤アックスは土踏まずから踵にかけて踏み、しっかり体重を乗せる

お昼休憩をしていると山の上部の方から何回か、地鳴りのようなゴーっという雪崩の音が聞こえていた。休憩の後も、スタンディングアックスビレーの練習をし、2時頃下山。

登山指導センターに戻り、センターの裏山で、人が一人入れるぐらいの横穴を掘り、ビーコンと、ゾンデ棒の取り扱い方を学んだ。ゾンデ棒で雪面だけをさした時と、人体に当たった時の感触の違いを確かめた。人体に当たった時は、ふわっ、ふにゃっとした感触が伝わってくる。

ソンデ棒で埋まった人を探す

ビーコンは一つを雪中に埋め、2台のビーコンを使い埋没位置の捜索をした。埋没位置を絞り込んでいくのが意外と難しく感じた。ビーコンでの捜索方法もやはり、パーティーで何回も練習することが、必要だなと感じた。

夜は登山指導センターで宿泊し、美味しいすき焼きと、お酒で楽しい時間を過ごすことができた。

翌日は竹ペグを使った懸垂下降のやり方を学ぶ予定だったが、日曜日は朝から生憎の雨となってしまったため、訓練中止で、朝食を食べ帰京となってしまった。

今回は結果的に1日だけの雪上訓練となってしまったが、自分にとっては非常に有意義な訓練となった。

雪上訓練は、やはり、雪山に入る以上は、万が一の場合に備えて、実際に自分で体験して、何回も繰り返し練習するべき大切な訓練だと思った。S山さん、今回もたくさんの事を教えていただき、ありがとうございました。

 


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