西穂高西尾根

■日時 4月9日
■場所 西穂高西尾根
■目的 冬季アルパイン
■メンバー ヨネ
■タイムテーブル

4/9
01:30 新穂高温泉
02:30 穂高平小屋
03:00 西尾根取り付き
06:00 1946m
07:00 ごろごろ岩場 2030m
10:30 第一岩峰
12:00 ジャンクションピーク
14:30 西穂山頂
17:30 丸山手前
24:00 新穂高温泉

ふと気づいてしまった。今年に入ってから一回も山を見ていない!!!正月明けの西穂は1946mに達することもなく撤退。樹林帯でひたすら雪と戯れているばかりであった。3月の岳沢も仙丈に出ることなくF1で戻ってきた。そしてその後の鹿島槍にいたっては、天狗の鼻までたっしたにもかかわらず終始雲がかかっていて鹿島槍すら見ることができなかった。

ゴールデンウィーク前にせめて穂高の稜線を見るべくもう一度西穂に向かうことにした。それにしても天気が安定せずだ。二日間せめて曇りにでもなってくれればよいのだが、一日雨、一日晴れみたいな日がひたすら続く。泊りにすると悪天候に巻き込まれるので、西尾根からワンデイで目指す。雪も締まっているだろうから今度は大丈夫!なはず。。。

天気を見ていると、月曜日は雪、火曜日晴れ、水曜日は大雪となっている。火曜日を逃すとその次の週も天気がいまいち。ゴールデンウィークの準備もしなければいけない。会社と家族にお伺いをすぐに立てて、月曜日の夜から新穂高温泉に向かう。

新穂高温泉につくとあいかわらず雪が降っている。予想はしていたものの全く前回と一緒の状況。またもや1946mに達せずに撤退はさすがにないよなあ、と一人心地しながらすぐに出発する。穂高平まではきれいに除雪してあり、一時間であっという間に到着。しかしまだまだ雪がやむ様子はない。

雪は積もっているがある程度締まっているので歩きやすい。とりつきまでも前回は腰ずぼで小屋からとりつきまでも2時間かかったが、30分、まるで高速道路を歩いているようだ。

しかし!!!ここからは相変わらず雪が深い。トレースはなきにしもあらず程度。足跡はところどころあるものの雪に埋もれている。それでもないところと比べるとまるでエスカレータ―。樹林帯の中をくるぶし程度で順調に高度をかせぐ。

1946mに到着するころにはすっかり空が白明かりへと変わっていた。雪もいつの間にかやみ、ところどころ青空が見える。ラッセルは深くなっているものの足取りは次第に軽くなる。

 

2030mごろごろ岩場に到着。夏に来るとここはごろごろ岩場なのだろうか。もちろん雪があるこの季節一面雪に覆われていてわからない。

さらに歩みを進めていくうちに日も出てきて稜線が見える。。。それにしても遠い。どんなに自分をごまかそうとしても、地図上では平坦だよねと慰めてみても遠いものは遠い!!!

稜線が次第に狭まってくると雪はますます深くなる。おそらく新雪として60cmほど、さらに左からの風にあおられて稜線には少し重いがまだまだパウダー感があるサラサラの雪がたまっている。ここまでくるともはやトレースの後はなくひたすらラッセル。

そしてついに来ました。小ピーク。第一岩峰はすでに目と鼻の先である。樹林帯を抜ければあとは楽しい雪稜歩きだ。

そして第一岩峰到着。記録では左右両方から登攀可能らしい。

右側は明らかに白出沢の側面を歩くようだ。汗ばむくらいに気温が上がる中、早朝ならともかくこの時間帯は雪崩がいつ起きても不思議ではない。とりあえず右側は最後の選択として左側の様子を見る。うっすらとトレースがあるのでたどっていくと岩峰を回り込んだところで小さいルンゼ(幅1mくらい)がある。ルンゼの中は雪がしっかりたまっていて、10mくらいのぼると岩峰上に出れそうだ。最初の5mは樹林も利用できる。後半は、手掛かりがないもののぼろいがお助けひもがある。

切れないように体重をあまりかけず、片手は木の根っこなどをつかみながらじわじわと足を進める。登り終えたるとほっと一息。難しくはないが落ちるとそのまま沢の中に一直線だから緊張があった。

第一岩峰を上り終えるとすぐにジャンクションピーク。

ここまでくると奥穂どっかーーん、西穂どっかーーん 、槍がちょっこん。北アルプスの絶景を独り占めだ。

稜線までは雪稜をゆっくりと進んでいく。雪が締まっているとはいえ、気温が上がってきているので一足一足がずぼっと雪面にめり込む。

ところどころで雪庇の観察ポイント。雪が少ない?雪庇は立派に育っているようだ。

山頂手前のピークでは一か所危険ポイントがあった。下から見ると稜線上は岩峰がにょきにょきとゴジラの背中になっていてとても進めそうにない。それに対して下のフェースは雪面にところどころハイ松が出ている。しかもトラバースならピークを巻ける。これはトラバースしかないでしょう。。。はい、大失敗!!!雪山の原則その1:稜線を歩くこと!!!トラバースして3mほどで行き詰る。雪面と見えたのは岩にうすく雪が乗っているだけ。アイゼンで下手に進もうものなら、ガリッ。この音だけは聞きたくない!アイゼンの歯は減るし、足は滑るし。這う這うの体で一回戻り稜線ルートをたどる。

そうはいっても天気はますます青空、太陽まぶしく雲はほとんどなく稜線は常に見えている。さらに雪質も足は潜るもののゴールデンウィークみたいなべたべたした感触はなく足は順調に進んでいく。

そして山頂到着!

登ってきた道を振り返ってみると長い!よくまあここまで来たものだ。

現在14時半。最終ロープウェイは16時15分である。さすがに1時間45分で山頂からロープウェイ駅は厳しい。山荘までは2時間、そこからロープウェイの駅まで1時間くらいか。しかもその西穂の下りはがれがれしていて集中しないとあっという間に飛騨側へ滑落である。

早々にロープウェイをあきらめ、穂高平経由で戻ることにする。稜線を降りながらドロップポイントを探る。まずセオリー通り、もっとも安全策はぼっか道。しかしこの道はロープウェイ駅の途中まで進むので少々かったるい。その手前は丸山がある。ここを目指していたのだが、丸山手前の尾根が安定していてしかも沢としては丸山から降りるのとおなじ場所に合流する。

尾根を降りだすと雪が深くなりところどころ腰まで潜ってしまう。わかんに履き替えると潜り方は少しマシになる。尾根をまっすぐたどるつもりだったが、少しずつやせ細り雪も深くなるのでやたら時間がかかる。これでは何時つくかわからないと、途中で沢にはいって標高を一気に下げる。30分ほどバックステップでガシガシ降りると小鍋谷にたどり着く。ここからはひたすら谷を下る。雪が思ったよりも少なくところどころ沢が口を開けている。いきなりどぼんはかなわないと途中でぼっか道へ入るために沢の斜面を尾根へと登る。雪がぐずぐずで崩れまくり30mほどなのになかなか進まない。なんとか尾根を越えるとそこにはぼっか道の跡がある。正確にはぼっか道は後半部分は沢をたどるようになっているらしい。雪に覆われているものの足どりも軽快だ。

穂高平につく頃にはすでに暗くなっていた。ここから林道をたどるわけだが、白樺平までがまた長い。しかも積もっている雪が中途半端に冷えている。足を乗っけると、おっこれは潜らないかとおもって踏み込んだ途端に「ばりっ」これの繰り返しでいい加減腰が痛くなってきた。白樺平の道があるのかわからずに不安であったが、地図を見ながら新穂高登山口に向かう登山道を見つける。これも雪で中途半端に覆われていたので余計に神経を使った。

新穂高温泉の駐車場についたのは夜23時50分、一応日帰り?


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