谷川連峰 万太郎谷本谷/大源太川 北沢本谷

L逢沢、斎藤、江原(記録)
7月20日(金) 海の日 天気:曇時々晴、夕立あり
今年は暑い。まだ7月だというのに東京は連日35℃を超える猛暑。暑さを忘れる爽快な時間を期待して万太郎谷本谷へ向かった(出発は19日夜)。ガイドブックは「名渓として全ての条件を満たしている」として誉めそやしており期待が高まる。今回は沢の中で一泊し、翌日谷川岳、一ノ倉岳、茂倉岳を経て茂倉新道を下山する予定。沢の中で寝たことがないので焚き火や食事も楽しみにしていた。6:00入渓点。6:25遡行開始。水は冷たく日ごろの汚れが清められるような気分だ。下部は深い森に包まれ穏やかな遡行。木漏れ日がさす明るいナメ滝が続き軽快な気分(浮かれすぎて転倒)で歩く。森に顔を出す関越トンネルの換気塔下で休憩。さらに遡行を続けると釜とゴルジュが交互に現れるようになる。ゴルジュは高巻きと泳ぎを交えて進んだが、泳ぎではヘルメットがザックに引っかかって顔を上げることが出来ず、焦って水を飲んでしまった。遡行を開始して約2時間、F2手前でスノーブリッジに遭遇。8:40。青い空をバックに白いスノーブリッジは綺麗だが、かなり溶けていて脆そうだった。地図によるとこの先はゴルジュ帯が続いており、不安定な雪渓が連続していることが予想されたため「時期が早かった。」との判断で敗退、下降することとした。下降開始9:30。

登攀的な要素での核心部は全てF2より上流のため沢登りとしては敗退なのだが、下降は楽しかった。十分に深さのある釜に出くわすとポンポンと飛び込み水遊び。逢沢さんは魚が根付いていそうな石の下は必ずチェックする。ウン年ぶりの水遊びは子供に戻った気分。しかし、登りの時にうすうす感じていた自分の泳ぎ下手が確実なものになってしまった。流れに飛び込んでも何故か全く前に進まない・・・。プールでは泳げるのに・・・。「沢の泳ぎ方」というものがあるのだろうか?

遊びながらゆっくり下り12:55入渓点に戻る。途中釣りのヒト2グループ、沢登り2パーティーとすれ違った。沢登りのパーティーは先に進んだのだろうか?的確に進退を判断するのは難しいことだと思う。濡れ物を乾かすために河原で焚き火をする。明日の予定を決めながらも冷えた体に焚き火の暖かさが心地よくそのままウトウト・・・目がさめた人が交代で薪をくべる。今日一日は森での時間を満喫した気分。こういうのを森林浴というのだろう。16:00、そろそろ夕立のありそうな空模様に入渓点を後にする。湯沢町「岩の湯」で激しい夕立を見ながら入浴。先に進んだパーティーのことを思う。ビールを買って大源太山登山口へ。登山口到着19:00。

7月21日(土) 天気:曇時々晴 
4:30起床。気分も新たに「変化に富んだ好渓で、初心者のトレーニングには最適。沢登りの醍醐味を十分に味わえる」という大源太川北沢本谷へ向かう。沢は大源太山に突き上げておりこちらは「越後のマッターホルン」と言われているとのこと。学生時代に登った荒沢岳は「越後の穂高」だったっけ・・・。5:45出発。

大源太山の登山道を進み2回目の渡渉点が入渓点、6:10到着。遡行開始6:30。小さいながらも始めから滝が連続していて変化があり「楽しい!」という感じ。核心のF4を目指して快調なペースで進む。七ツ小屋裏沢分岐(合流?)7:05。F2、7:45。F3(10㍍ナメ滝)、8:10。やがて前、右、左の3方向から滝が落ちている三俣につきあたると向かって左側の沢がF4、20㍍。8:20。ちなみに右側の滝の方が水量も多く立派。F4ではザイルを出し、右のリッジ状から高巻いて草付きに入る。中間支点がなくハーケン一枚使用。再び沢に戻ると様子が変わり随分小さな流れになっていた。流れが消える頃、草付きのスラブ状に出る。狭まっていた視界が一度に開け大源太山のピークに人影も見えた。あたりにはニッコウキスゲが咲き乱れており、ヤブこぎはなし。ニッコウキスゲの鮮やかなオレンジと青々と茂った緑、スラブの白。色の対比が印象的だった。そのまま快適にスラブをつめて、ピーク直下の岸壁の下を右へと進むと縦走路に出た。ピークまでは5分ほど。終了11:20。

マッタ―ホルンは大袈裟な気がするが稜線はやせていて足元から大きく開けた展望は良かった。ちょっと驚くほどの数のトンボが乱舞するピークでは涼しい風と通り雨があり何処と無く秋めいた気分にさせられた。狭いピークは思いのほか(越後のマッタ―ホルンには失礼だが…)登山者で賑わっており、学生のパーティーが到着したのを機に下山に移った。登山口到着、13:40。下部に連続する小さな滝と、ツメのスラブが楽しく印象に残った。ガイドブック通り良い沢だったと思う。

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