笛吹川東沢 東のナメ沢

広島、江原

記録:大滝(300㍍)のみ
東のナメ沢の出合=大滝(F1)の取付きで登攀具をつける。チラッと見えた大滝は中間部を樹林にさえぎられながらもちょっと意外なくらいの高さまでクネリと伸び上がっていた。その高さと見事なスラブに登攀意欲が湧いてくる。傾斜のゆるい下部はスピーディーに登ろうと沢靴のままフリーで取付く。水流は、だだっ広く明るいスラブの中央部に幅1~2㍍程。シミだしもあまりなくて快適だ。

  • 下部 :水流の右側を歩いて登っていたのだが、やがて… 足はこびが慎重になり → 四つん這いになり → そのまま固まる という状況。油断出来ない。傾斜はないのだが高度感が増すにつれて動作がぎこちなくなってしまう。ひび割れや草付をつなぎ水流の左側の狭いテラス状まで登る。足元にハーケン(1本)。しばらく考えた後アンザイレンする。
  • 1p目、40㍍ : 水流の左側を直上から左上。間隔は広いが要所にはボルトが(中には新しいものも)ある。傾斜を増したスラブはツルツルで沢靴のフリクションが全然信用出来ない。頼りのひび割れも少なくひび割れから次のひび割れまでが核心。四つん這いのままズルズル後退すると頭の中は真っ白!フェルト底でスラブをせっせと磨いているイメージがチラチラする。見上げた感じよりも難しくてザイルを付けて良かった!と実感した。A0しボルトに乗りして何とかビレイ点へ。いそいそとフラットソールに履き替えた。(ザイルもダブルに切りかえる。)
  •  2p目、40㍍ : 水流のだいぶ左側のビレイ点から右上ぎみに登り水流の方へ進む。水流のすぐ左でピッチを切る。フラットソールに履き替えたことで余裕が出た。フリクションが効くのでそんなに慎重になる必要はないのだが、スタンスを探しながら登るのは楽しいのでじっくりと岩を観察する。明るい陽射しの中の快適なピッチ。ところどころに草付(段差状)を交えて出合を見下ろす高度感を楽しみながら登る。
  •  3p目、35㍍ : 水流のすぐ左を直上後、左上。スラブの突き当たりのような5㍍ほどの段差の手前にあるしっかりした立ち木でビレイ。ボルトが1つしか見つからず緊張した。
  •  4p目、20㍍ : 前出の段差を越えたあと水流を横切りビレイ点。段差を越えると傾斜も弱まり、左右の梢同士が届きそうなくらいスラブの幅も狭まる。豪快なスラブもどん詰まりだと思うと少々名残惜しい。
  •  5p目、20㍍ : 殆ど草付で支点もなし。水流の右側、泥とコケで滑るスラブの末裔(?)を慎重に登り立ち木でビレイ。頭上はうっそうとした樹林で覆われて普通の沢になる…。

長大なスラブに大満足。傾斜はゆるいのだが、支点が少ないせいもあり時々味わう「ヒヤリ」はかなりリアルで味わい深かった。


投稿する

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)