谷川岳 一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁 中央カンテ

広島、江原(記録)

今季の本チャン1本目、中央カンテを登攀した。天候は曇のち晴。登攀中は国境稜線にガスがかかり冷たい風が吹いていたが、やがて晴れた。取付きでもたついたりして反省点はあるが、とにかく「1本目」を刻めて良かった。岩トレが足りず、動作にも気持ちにも頼りない感覚があったが、国境稜線に飛び出した時には充実感があった。
金曜日、車で西川口を出発。指導センター着1:30。満月のような月が明るい。落石が怖いので「取付き一番」を目指して酒を飲まずすぐに就寝する。
3:30起床。4:00出発。冬と違い身軽な装備がうれしい。朝の空気がさわやかで妙に安穏な気分になる。が、一の倉沢出合まで来ると白髪門は青空の下なのに国境稜線は雲の中…ようやく気合が入った感じ。出合到着4:35。出合のすぐ上部を高巻いたあとは雪渓に下りそのままテールリッジまで。テールリッジではフィックスロープが切断されている箇所があった。中央稜の基部到着5:30。
ここでお会いしたパーティがやはり中央カンテを目指していた。残念ながら2番手か…。先行を見送り「落石が怖いから変形チムニーにしようか」などと壁の基部をうろうろしているうちに(変チの取付きが分からずあきらめた…)さらに1パーティに先を譲ることになる。結局3番手で取付く、登攀開始7:00。変チの取付きが分からなかったこともお寒い話だが、登ろうとするルートにはそれなりのこだわりを持つべきだと勉強させられた。
つるべでピッチを刻む(去年はずっとフォローだった…)が、後続も続々と続いている。ジリジリして先行を待った後、急かされるように登る。なかなか慌しい。

  • 1p目、取付きのすぐ上、カンテ状を右に越えるところの傾斜が強く「いきなり?」という感じで内心まごついた。
  • 傾斜の落ちた2p目、凹状を横切るあたりで予想通り上部からの落石があった。辺りには浮石が多く自分も落石を起こさないように気を使う。しかしザイルが落とす小石は如何ともし難い。
  •  続くカンテを直上するピッチは快適。
  •  左の変チルートから合流してくるパーティの声が聞こえたのでスピードを上げて先行パーティの直下を登る。チムニーの下で合流した変チからの3人パーティにタッチの差で前に入れていただく。
  • 続くチムニーは遠目には黒々と湿った感じに見えたが意外に快適に登れた。チムニーの中に入り込むような登攀が好きなので楽しかった。
  • その上部、右上ぎみに行くべきところでピンを追いすぎて誤って直上したため脆いところをクライムダウン。登り直して核心部の下へ。
  • 核心部のピッチは2段階に分かれた感じ。1段目はクラック状で2段目はフレーク状。両方とも3㍍程度、垂直だがお助けヒモあり。1段目はグラつくガバホールドから一気に乗り越したが、2段目は気がついたらA0していた。岩が堅くて快適だっただけに簡単にA0したことが悔やまれる。
  •  4畳半テラスより上はなんということもなく烏帽子岩直下の懸垂支点まで。烏帽子岩の裏側からルンゼをトラバ-スしてザイルを解く。登攀終了12:30。
  •  5ルンゼの頭が悪く緊張した。ところどころ崩壊していて脆いため念のためザイルを出した。国境稜線到着、13:45。
  •  西黒尾根から下山。指導センター到着、16:35。正直かなり疲れた…。

湯檜曽で蕎麦を食べて帰京。マイタケのてんぷらが美味しかった。


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