谷川岳 一ノ倉沢 コップ状岩壁 αルンゼ

東出(記録)、斉藤
金曜晩、3連休ということで気合いを入れて新座に集合。金土日で東出、斉藤、徳永、内田、土日で広島、天津が入山予定。久々の3パーティーでの集中山行だ。土曜朝、「順番待ちはしたくない」と、徳永、内田は4:30にそそくさと出ていった。30分遅れで我々も出発。天気は午後から下り坂の予報。先週は土砂降り=高速通行止めで上毛高高原敗退だったので、今週は登りたいところだ。出会いから水量が多いのが気になる。衝立前沢に向かうので左岸を巻いていくと、誰かが先にいる。他にもコップに行くパーティーがいるのかと思いきや徳永パーティーだった。こいつのルートファインディングはかなり怪しい。衝立前沢に入ると結構水が流れている。略奪点7:00。
靴を履き替えてαルンゼへ。言わずもがな出だしから、ルンゼ内はべちょべちょ状態。のっけからコップとの中間稜の側壁を高巻く。F1からF19までちゃんと記録を取るつもりだったが、滝をいくつ巻いたのかも定かでないのであえなく放棄。沢身に降り立つが、次のチムニー滝もべちゃべちゃで取りつくしまもない。左岸の細かい壁を登ってまた巻く。核心のF5のCS滝も取り付けず。右岸を大きく巻く。ルンゼ内だけでなく、側壁も全体的にべちょ濡れで、巻くのも気分が悪いことこのうえない。たまにピンがあるが、気休め程度にしか打ってない。渇いていればほとんどザイルは不要なのだろうが…。再びクライムダウンで沢身に降りたが、今度は斉藤嬢が「滑ってコワイ」と降りれず。仕方ないので右岸の逆層の緩いフェースを登ろうとしたが、満足なビレイ点を得られず。逆層で滑ってホキである。一度また沢身に降りて、左岸草付から巻いて右岸上部に出、斉藤嬢を引っ張り上げる。その上で、直登可能な滝があったが、かなりシャワークライムとなりそう。で、また左岸をやや大きく高巻き。一の倉尾根がだいぶ迫ってきたところで、ルンゼの幅は狭まり、傾斜も強まって、滝場が連続して続いているのが見える。側壁は立っており、ルンゼ内で行き詰まったら、巻けるかどうか怪しい。いい加減、高巻きにはうんざりしていたが、行き詰まって時間を食うのもいやなので、またもや左岸大高巻きに突入する。ちなみに、このルンゼの懸垂下降は、ピンがないのでピンを打つか、ルンゼ内の岩やCSを使うほかない。一度突入したら、登り切るのがベターであろう。この大高巻きでそのまま稜線を目指す。斉藤嬢は慣れない薮漕ぎと、笹を掴んでのよじ登りで腕がホキてしまったのか、かなりスローペース。天気はよくもっているが、いつ降り出すかわからない。降られたら薮のなかで座ってビバークか…。
ようやく一の倉尾根に出たのが16:30。烏帽子尾根とぶつかるポイントは、ガスで視界がきかず地形が良く分からず。尾根伝いにいくのかと思っていたが、岩峰を下降気味に右から回り込んでルンゼに降り、緩いルンゼを詰めるのが正解。見なれた烏帽子尾根からの踏み跡にぶつかる。ここで日が暮れてしまった。懐電をつけてトボトボと歩き、肩の小屋に着いたのが9:30。この時分には気温が下がって、風も強まってきた。駐車場ではきっと徳永と内田が心配しつつ酒盛りでもしてるだろう。こんなホキな山行では、斉藤嬢はきっと岩が嫌いになるよなあと思いつつ、快適な一夜を過ごした。
翌朝は風が強かったものの、そそくさと天神尾根から朝一のローウェーで楽チン下山。9:00。朝風呂でも行って、うまい飯でも食うか~などと言いつつ、出合いへ戻る途中で、昨晩入山した広島と天津に出くわす。昨夜、駐車場でテントを探したが、見つからなかった、どこで寝てたんですか?と。昨日のうちに降りているはずの徳永と内田はどこに行ったんだ!? ということになって大騒ぎになった。連中もビバークしたらしい。変チか凹状かどちらかに行ったはずだが、どちらもビバークするルートではない。一の倉尾根から下山するにしても昼には降りれるはず。待てど12:00過ぎて一応代表に連絡を入れ、コールを掛けにヒョングリあたりまで行こうとしたとき、出会いから望遠鏡を覗いていた人から声が掛かった。誰か降りてきているらしい。見れば二人がテールリッジを懸垂中だ。人に心配かけているのは分かっているハズだが、余裕をかませながらダラダラと降りてきた。結局駐車場に着いたのが16:30過ぎ。びしょぬれの凹状を登ったら日が暮れてしまい、翌日中央稜を降りたが、ザイルが絡まりまくって難儀したと。無事でなによりだ。翌日の予報も雨。結局3連休に1本だけ登って終了。悲しい山行であった。

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