谷川岳 一ノ倉沢 コップ状岩壁 緑ルート~雲表ルート

東出(記録)、内田
アブミが若干不安な内田氏ではあったが、緑のハングはたぶん越えられるだろうと見切りをつけてコップに向かう。5:00発。快晴。衝立前沢に入ると略奪点までに二俣が2回出てくるが、右、左と行くべきところを間違えて、手前の二俣で左に入ってしまった。後で見ると右俣に赤ペンキが薄っすらとあったんだが…。途中から藪こぎになり、だいぶ左の方へ突き上げてしまった。さらに藪を右トラバースして前々沢に合流。内田氏は遅れること30分。ようやく出現。略奪点でフラットソールに履き替えてコップスラブを登る。所々しっかりした懸垂点がある。ついでに赤ペンキまである。結局コップの広場に着いたのが8:00。
まずは緑ルートに空身で取り付き。念のためハング下まで一段登って内田氏を引っ張り上げ、2ピッチ目でハングに向かう。支点の間隔は短いのに(最上段に乗る必要もない)、どういうわけか、ありとあらゆる支点にホキシュリンゲが垂れ下がっている。支点自体もしっかりしていて何の問題もなくハングを越えた。内田氏もするすると登って終了。ハング上のビレイ点には懸垂用のビナまで掛かっている。40m1ピッチ懸垂して広場へ。そうこうするうちに雲行きが怪しくなってきた。涼しくていいんだが…。
天気が持つことを期待して、ザックを担いで雲表に取りつく。10:00。出だし、ホールド・スタンスとも外傾していて「濡れてたらコェー」という感じ。凹角下でやはりピッチを切り、内田氏を引き上げる。フリーで行くのはチト怖く、遅滞なくアブミに乗っかる。問題は凹角に入ってからで、ミイラ化したホキピンが出現。朽ち果てて、かろうじて輪が残っている。もっとも細い部分で太さ2,3mmってとこか。しかも錆びて今にもちぎれそう。恐る恐るアブミをかけて体重をかける。コ、怖エー。その上のピンは、とうの昔に根元からブチ折れて消滅したらしい。片手で自前のピンをねじ込んで叩くが、かなり浅打ち。前進するには持ったが、落ちたらスグ抜けるだろう。下のピンがミイラだけに怖いものがある。右手にクラック(というより穴)があり、ナッツを噛ませた。こちらは抜けないと思う(たぶん)。この上は外傾ながらも右側にホールド・スタンスあり。抜け口で念のため、ピンをダブルで打って抜ける。ライン取りは面白いが、4級下という状態のルートではない。凹角内はホールド・スタンスは一応あるので、どちらかというとアブミを出さずにフリーで抜けるつもりで行く方が良いかも知れない。ただし落ちたらアウト。そういうわけで、内田氏も相当困窮を極めたようだが、休み休み少しずつ登ってくる。時々雨がパラツキ始めた。13:30内田氏完登。抜く余裕がなかった、とのことでピンを3本残置された。2500円相当ナリ。急いで懸垂して終了。
コップスラブで土砂降りになったが、下降点は完璧でコワくもなく略奪点へ。16:30駐車場着。内田氏がシャリバテで時間がかかった。トンカツ食って帰京。

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