阿弥陀岳北西稜

■日時:2019/1/26-27
■場所:八ヶ岳 阿弥陀岳北西稜
■メンバー:ぐんそー、Some2(記)

だいぶ時間が空いてしまいましたが北西稜の記録です。

【1/26】

美濃戸口-北沢-赤岳鉱泉-行者小屋-南沢-北西稜取付き

南沢は滑りやすくストレスが溜まるので北沢からアプローチ。晴れているが雪が降るというような天候で、かなり冷え込んでいた。翌日のラッセル祭りが予想され先が思いやられた。

【1/27】

取付き(5:00)- 露岩(7:30)-(ルーファイミス等でロス)-第一岩峰(10:30)-第二岩峰(12:00)-阿弥陀岳山頂(14:00くらい)-北西稜取付き(15:00)-美濃戸口(18:00)

取付きにテントを残しアタック装備のみでの登攀。前日の積雪により激ラッセルを覚悟していたが、取り付いてみると何となくトレースは残っており、ラッセルは必要だが思ったほどではなかった。平均で膝丈程度、たまに踏み抜くと腰くらいまで沈むという状態。軽装だったこともあり、それほど消耗はせず2.5時間程度で露岩に到着。5時間ラッセルした記録もあるようなので、それほど悪い条件ではなかったのかもしれない。

尾根に上がるため、最初露岩の左側を直登したのだが、嫌らしい草付きが続きどうにも悪過ぎるということで垂下降で露岩株に一旦引き返した。トポを見直すと露岩は右から大きく巻くライン取りだった。そのとおり進んでみるとトレースを発見。時間をロスしてしまったのは痛かったが気を取り直して進む。トレースをたどっていくと樹林帯を抜け、稜線に出た。この日は快晴で最高の景色だったが、気温が低く風も強かったためかなり寒かった。

第一岩峰より手前のリッジからロープを3Pほど出したが、結果的には簡単だったので、時間的なことを考えるとロープは出さないほうが良かったかもしれないが、こういう判断は初見だと中々難しい。

■第一岩峰~第二岩峰 40m+30mくらい

第一岩峰から第二岩峰までは2P、前半のピッチは個人的にはこのルートの核心だと感じた。どこも似たような傾斜のためルーファイしにくく、選んだラインはところどころスタンスがない箇所があり緊張した。予想より悪かったので、ライン取りを間違えていないか何度も確認しながら進んだ。残置ハーケン、立木、カムと使えるプロテクションは何でも使って最後はピナクルでピッチを切った。ピナクルから第二岩峰までは岩稜帯。高度感抜群でちょっと怖いけどルート自体は簡単。要所要所でカム0.75~2を使用したと思う。この辺りは風が直撃するためとにかく寒かった。

■第二岩峰~頂上直下 20m+20mくらい?(時間が経ち過ぎて忘れた…)

最初のチッピは第二岩峰を左にトラバース。風が当たらない位置取りになったのがありがたかった。最終ピッチはエイドパート。嫌らしいトラバースを数メートルこなして、取っ掛かりのないスラブを直登するライン取り。最初はドライツーリングで抜けられないものかと思っていたが、自分のバイルワークでは無理だとわかり速攻A0に切り替える。一応アブミも持ってきていたが、ハーケンの間隔が近く、バイルとヌンチャクを駆使すればA0でも登れた。最後の乗越しは足を頭より高く上げてリッジに跨るようなムーブになるのだが、足を上げた瞬間谷底に落ちていくようなイメージが湧いてしまい中々ムーブを繰り出す気がせず、布団干しのような体勢でしばらく現実逃避。そんなこんなありつつ終了点到着。終了点は再び突風直撃の場所だったので、セカンドビレイ中は大声で熱唱しながら寒さを堪えた。このピッチを終えれば最後はロープ不要になり、歩きで阿弥陀岳山頂に到着。一息入れて下山。

阿弥陀岳北西稜は、ラッセル、ルーファイ、雪稜、岩稜、エイドクライミングと内容盛りだくさんでタフなルートでした。


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