■日時 2月4日(土)〜2月5日(日)
■場所 八ヶ岳
■目的 アイスクライミング
■メンバー ヨネさん(L)、ツッキー、ミッキー、some2、タナミー(記)
■天候 2/4快晴 2/5曇りのち雪
■2/4 アイスキャンディー
アイスクライミング初体験の人がいるということで、アイスキャンディでアイゼンワークとバイルワークの練習を初日にしました。初めてアイスクライミングをやる人の場合、アイゼンの前歯を氷に蹴り込むものだ、という思い込みがあるようですね。また、バイルの打ち込みにおいて手首のスナップを効かさないとか、体をあげようと肘を曲げると肘が開いてしまうなど、初めて体験でよくあることが見事に繰り返されました。しかし、ヨネさんレクチャーを受けると少しずつ変わってくるわけです。

はじめてのアイスクライミングをするsome2
アイスクライミングって、バイルとアイゼンというギアをどううまく使うかがメインだと思います。
バイルってアイスクライミング特有のギアですから、それに即した使い方があります。けれども雪稜岩稜でのピッケルワークがまったく使わないかといえば、使います。滝の落ち口あたりになればバイルがピッケルのように使われることもあります。
「アイスクライミングならモノポイント」というのも実際に即してません。モノポイントの使うべきところは、氷柱やつららのスタンスがない氷です。スタンスがないのでモノポイントを蹴り込むのです。スタンスがあれば堂々とそれを使います。このとき”蹴り込む”なんてせずに、アイゼンの歯を”ゆっくり置く”わけです。
アイゼンワークを理解するには、ナメた滝でバイルなしで登ることです。これなら、足を蹴り込んで、なんて乱暴なことはしなくなり、アイゼンのどの歯をどのスタンスにおくか、慎重になるわけです。そして、全部の歯を使うのが一番安定すると気付くわけです。この状態が面に対して”フラット”に足を置くということですね。
”フラット”に置くときの困ってしまうことは、足裏すべてを置けるほどスタンスが広くないときです。そのときはアイゼンのどこの歯を使うかを選らんでいけばよいと。”前歯2本”というのも選択肢ですが、”横歯全部”もありです。横となれば、インサイド側かアウトサイド側か選択の余地があります。インサイド側を使おうとすれば、股関節を広げいわゆるガニ股になります。アウトサイド側を使おうとすれば、股関節は閉じられ骨盤がねじられ、フリークライミングでいう側対になります。ってことは、アイゼンワークって足首より下の部位の動きでなく、骨盤以下の部位を使うことで成り立っているわけです。

ナメた滝を歩いて登る
アイスキャンディに来たならば、沢を詰め上がるアイスクライミングではやれない、シャンデリアを登らなくてはいけません。トップロープセットするのもいとも簡単!シャンデリアになるとバイルワークが必要になるかと思います。”真下にぶら下がる”だけでなく”横に引く”とか。タナミーはまだよく把握できてませんが。

シャンデリアを登るよねさん
アイスキャンディの閉店時間16:30までせっせとシャンデリアクライミングを楽しみました。
食事当番がつっきーだと、ご飯がうまい! 豚汁とかつ煮(自分でかつを揚げてきていた すげぇ)で、満腹でした。
■2/5 ジョウゴ沢 本谷大滝
06:30には出発したいなあと思い、04時起きにしましたが、やはりなんやかんやで出発は07時になりました。ヨネさんは頭痛がするということでテントでレストとなり、残りの四人でジョウゴ沢を本谷大滝まで上り詰めることになりました。
F1は念のため、ロープをだして登りました。はじめて天然の氷瀑を登る人もいるわけですから、ロープ確保という安心感がある方がよいのです。
F2でアイススクリューの打ち方と回収の仕方を練習しました(スクリューをガツンと突き刺すのはやめておくれ、、、)。タナミーツッキー組、ミッキーsoem2組に分かれて登りました。

F2を登るみっきーsome2
F2を上がったころから雪が舞い始め、雪山にきたー!って感じになりました。ツッキーはF2を登るだけで満足していたようですが、残りの人たちは俄然登る気なので、沢を詰めていくだけ詰めましょう、として登りはじめました。
広いルンゼをてくてく歩き、ちょっとしたゴルジュを上がると右手には乙女の滝が見えてます。タナミーの去年3月の記憶とは違った随分やせた氷瀑に、あれ、とおもいました。その分グレードが上がっているのでは?とおもいました。

乙女の滝 ここは見るだけで通過
乙女の滝を横目に本谷をさらに登れば、正面に大滝が見えてきます。

広いルンゼの奥に見えるのは本谷大滝
それなりに風があったので、アイスクライミングがもうお腹いっぱいのツッキーを寒空に待たせるのも難なので、ツェルトを張ってその暖かさを実感してもらいました。

ツェルトを張って入れば十分暖かいのを知るのもビバークトレーニング
大滝の取り付きに来ることが初めてなので、どのくらい発達しているのかよく分からないのですが、登れるラインをじっくりオブザベーションしました。右端か中央から少し左側か迷うところでしたが、右端の氷は白みがかっていたのでしっかりした硬い氷とは思えず却下となりました。かといって中央左側の取り付き付近4mくらいはほぼ垂直。つまり簡単ではないと。しっかりスタンスのオブザベをして取り付きました。

大滝をリードするタナミー
1本目のスクリューを入れていて思ったのが「あれ、ハンドルを回す感じが硬い氷を削っている感触と違うな。」ということ。そう感じたので、ちょいと登ってすぐさま良き氷にもう1本スクリューを打っておきました。リードだと自分でラインを選べることをいいことに、確実に登れる・登りやすいライン取りで登りました。上まで抜けるとペツルのアンカー2つとロープスリングの終了点があったので、トップロープ支点を作り降りてきました。その間の数分でしょうけど、吹き上がる風がなかなか冷たい。この日のような天候で稜線上にあがるのは、やめておきたいですね。

登るsome2

登るみっきー
帰りにF1で通称”アバラコフ”と呼ばれるV字スレッドの練習をして、赤岳鉱泉に戻りました。