鹿島槍天狗尾根(北壁主稜アプローチ)敗退

■日時:2019/3/23-24
■場所:北アルプス 鹿島槍ヶ岳天狗尾根
■メンバー:Yone、Some2(記)

【3/23(土)】
大谷原(7:00頃)-アラ沢出合-天狗尾根取付-第一クーロワール-第二クーロワール-天狗の鼻(15:30頃)

この日はアプローチのみなのでゆっくり目のスタート。アラ沢出合までは渡渉が2回あり、念の為どちらも靴を脱いで渡った。結果的に裸足でも問題はなかったが水は冷たく足の裏も痛かったので、ネオプレンソックスを持ってくればよかったと思った。Yoneさんは持ってきていた。渡渉の際は周囲をよく観察し渡りやすい場所(川幅、水深など)を選ぶこと、複数回の渡渉が予想されるときは1回あたりの渡渉時間短縮を心がけること(例えばゲイターつけないなど)を教えていただいた。アラ沢出合から天狗尾根取付きまでは、飛び石や途切れたスノーブリッジを飛び越しての渡渉が数回あった。おそらくこの辺りはその年・時期の雪の状態によって状況が異なるのだと思われる。出合以降の両岸は結構傾斜が急なため気が抜けなかった。取付きから尾根に出るまでは長い急登、また尾根に上がったあとも第一クーロワールまでは急な登りが何度かあった。今回はかつてないほど調子が上がらず、アプローチだけなのにびっくりするほどへばってしまった。体力がないのかもう若くないのか、自分のヘタレっぷりに嫌気が差しつつ意地で登る。Yoneさんから省エネの歩き方を教えていただいた。尾根上も風が強くなかったのが救い。

第一クーロワールは雪がしまっておりトレースも豊富なため、昨年と比較してかなり登りやすい状態らしかった。クーロワールはロープは出さずに登ったが、結果から言うと色々とダメダメだった。過去にはここよりずっと難しいルートも登っており多少は雪壁慣れしたと思っていたが、雪に体重を預けることへの不安感はいまだに払拭できていなかった。自分の臆病さに嫌気が差しつつ意地で登る。

第二クーロワールも状態は良好で、こちらもトレースを活用しつつロープなしで登った。途中傾斜がきつくなる箇所やシュルンドの通過があり、雪への立ち込みには腰が引けまくった。基本的にトレースをたどればよいのだが、時々スタンスを誤り行き詰まることがあった。岩を登る時は自然とオブザベをしているのだが、どうやら雪壁では視野が狭くなっておりオブザベができていないらしい。自分の下手さに嫌気が指しつつ意地で登る。Yoneさんから雪壁でのアイゼンの足置きのコツを教えていただいた。

ヘロヘロになって天狗の鼻に到着すると数パーティがベースを張っていた。我々も空いているスペースに幕営した。この頃から雪が降ってきて視界も悪くなってきていた。

【3/24(日)】
天狗の鼻(8:00頃)-第二クーロワール-第一クーロワール-天狗尾根取付-アラ沢出合-大谷原(15:30頃)

前日から雪が振り続け30cm以上の積雪となった。クライミングができるコンディションではなくなってしまったため朝一で敗退することになった。天狗の鼻にベースを張っていた全パーティが敗退の判断をしたようだった。我々が最後の出発だったので先行パーティのトレースをありがたく使わせていただいた。

昨日フリーで登った第一・第二クーロワールも帰りは懸垂下降が必要だった。第二クーロワールでは懸垂は2回だったが、ロープが2本ある場合に途中からロープを連結して2本使用にするというやり方があることを教えていただいた。第一クーロワールでは懸垂視点の立木までクライムダウンが必要で、かなり高度感がありとても怖かった。自分の相変わらずのビビリっぷりに嫌気が差しつつ意地でクライムダウン。

クーロワールを過ぎるともう危険箇所はなくなるのでトレースを外れて歩行訓練をしたり、行きと違う道を利用して下山するなどした。

今回私の方は何をやってもうまく行かずといった感じでだいぶ打ちのめされた。今回は取付きより手前で敗退だったが、正直北壁主稜を登るにはまだ力不足だった気もする。雪壁・雪稜の苦手意識払拭は簡単ではないかもしれないが、このままでいるのも嫌なのでやはり意地で頑張ろうと思う。


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