鹿島槍ヶ岳 天狗尾根

鹿島槍ヶ岳 天狗尾根

■日時 5月3日(日)〜5月4日(月)

■場所  鹿島槍ヶ岳 天狗尾根

■目的  春合宿 残雪期クライミング

■メンバー S山さん、ヨネさん、ハットリさん、KobaCさん、タナアミ(記)
■天候 5/3 晴れ  5/4 晴れ午後から雨

■コメント

”緑山岳会のGW山行は、毎年のように何かが起こっている。今年も何かあるのではないか?”と言われていたハットリさんの言葉は正しかったです。

ヤマケイオンラインの山小屋からの情報からどこの山も雪が少ないことを知っていました。チャレンジアルパインクライミング(amazonで32,000円!是非復刊してほしい)のルートになっている沢の右岸は悪いと予想し、林道のある左岸を歩くことになりました。大谷原から沢に降りてみるとちゃんとした橋があって、悠々と左岸に渡ることができました。

沢を上がれば上がるほど、随分危険なトラバースや高巻きが必要でした。”なんか沢登りみたいだな”なんてコメントが出るくらいに雪が少ないとのことでした。もうこの時点でタナアミはイッショケンメイでした。そんで起きた事件が「沢にドボン」。薄いシュルンドの怖さを知りました。前を歩いていたヨネさんが”シュルンドあるから気をつけてね”といい、”はーい”とタナアミとあいづち打ちましたが、その直後に「沢にドボン」。何を気をつけるのがよく知りました。雪が薄くなっていることを見抜けなかった。後ろを歩いていたS山さんは”きれいに前転してドボンした”と言ってました。ザックから着水?(落ちた)ようで、どこも打たず怪我もなかったのは幸でした。怪我していたらその時点で敗退ですからね。服もグッチョリ、靴中までもビッチョリになりました。そのままにしておけないので、泣く泣く全裸になって服を絞りました。記念?写真、撮ってもらいました。

”緑山岳会のGW山行は、毎年のように何かが起こっている。今年も何かあるのではないか?”・・・・ありました。

ここがアラ沢だろうというところから、稜線目指して登り上げるわけですが、雪が少ない弊害がここにも現れます。雪上歩きに加えて、藪こきがでてきてしまうのです。ちくちくして怪我はしないものの、邪魔臭さはこの上なかった。

また事件が起きました。タナアミの雪上歩きがまだまだ悪いことが判明しました。斜面上で滑落です。午後2時過ぎの腐りかけた雪で、出した足に体重かけてたら、崩れました。しかし僕が滑落したのには、それなりの”悪い癖”があることを指摘していただきました。歩行のときの足上げが高すぎるのが悪いようです。上げ過ぎた足に乗り込んでいくことになるので、足裏にかかる荷重が大きくなる、そして雪は崩れる。タナアミだけズボンの膝が汚れていたのは、その証拠でしょう。ここでも怪我などはなかったのは幸い。

”緑山岳会のGW山行は、毎年のように何かが起こっている。今年も何かあるのではないか?”・・・・ありました。その2です。

①沢へドボン②足釣り③滑落。これ以上なにか起こると怪我を伴う事件が発生する可能性が高いこと、加えて翌日の天候が悪くなること、幕営予定地の天狗の頭までかかる時間などなど、不安要素が多いことから敗退の決断が決まりました。全員が納得する理由を提示したヨネさんの判断の仕方は見習うべきところです。

タナアミのアイゼン付けた雪山下りでも事件が起きました。バランス崩して前から転び、5mほど滑落して藪に絡まって停止しました。ピッケルを左手に持ち替えて斜面を左向きに下ろうとしたときの滑落で、マズイことにピッケルを手放してしまいました。その後はヨネさんにガイドコンテして100mほど下り幕営地に向かいました。そのときに教えは忘れないでしょう。3度滑落して”おれ大丈夫か?”と不安バリバリの最中の教えでしたから。

”緑山岳会のGW山行は、毎年のように何かが起こっている。今年も何かあるのではないか?”・・・・ありました。その3です。

テント設営したのが15:30。夕飯には早いということでアルコールタイム。コンビニやスーパーで買ってきた乾き物や柿ピーが並ぶ中で、ヨネさんおつまみのオシャレさが輝いていました。オリーブとチーズ。そんな山屋になりたいです。「口ばっかりなんだからー」と突っ込まれますが。

翌日5/4は06:00起床07:20出発して大谷原へ。タナアミにとってはハラハラもののアイゼンでの下りでした。腰が引けてゆっくり足を進めるしかできなかったので、遅くなってしまい申し訳無く思います。沢沿いまで降りるのに汗だくになりましたが、みなさんは小汗をかく程度。汗だくにもなりますよ。また滑落するんじゃないか?今度は頭から沢にドボンすることになり、怪我するんじゃないか、かなり緊張しました。ヨネさんは来た道を戻っていく途中途中で、右岸左岸どちらが歩きやすいのかなど単なる帰路でなく、検証をしながらでした。沢の取水口あたりでアイゼンとってようやく僕も安心。橋を渡って大谷原に戻ったのは11:00程度。

信濃大町駅近くのとんかつ屋昭和軒に行こうとなりましたが、えらく行列していたので近くの違うお店に。各自がスマホで天狗尾根のログやルートを見ながら、だんだんルート間違えたんじゃないか”疑惑”が、”確信”に変わりました。webの情報から見て、大谷原から荒沢に入るまでの時間がかかり過ぎていた時点で疑惑がありましたが、雪が少なくルートが悪いので時間がかかるという理由から排除されていました。しかし、webでの取水口の写真に写っている吊り橋は、僕らは見ていないんです。まじかと地図を見返してみると「大川沢」と考えていた沢が「大ゴ沢」だったことが判明したのです。

ルートを間違えているという確たる証拠を提示することができずに、間違えているのでは疑惑を持ったまま、若手は山行を続けていたようでした。それに対して「先輩だからとかの考えは山行ではいらず、ちゃんと声に出すべきだ」との指摘でした。たしかにその通りです。そのときに確たる証拠を提示するための下調べをすべきだろうと思いました。しかしタナアミは、それも用意していなかった。先輩方々に連れて行ってもらう意識があった、しかも現実にはついてもいけていなかった。こんなんじゃダメです!連れて行ってもらう意識はもう止めます。

もう一度。”緑山岳会のGW山行は、毎年のように何かが起こっている。今年も何かあるのではないか?”と言われていたハットリさんの言葉は正しかったです。

■タイムテーブル (注)天狗尾根へのルートではないことに注意

5/3 Sun.  06:30大谷原出発 → 07:15大ゴ沢の取水口 → 10:20南向きの沢(標高1250m付近)の左岸を上る → 14:30 1500m付近で下山決定 → 15:30 1400m付近で幕営

5/4 Mon.  07:30幕営地出発 → 11:00大谷原到着

 


投稿する

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)