八ヶ岳 小同心クラック/大同心南稜

東出・逢沢(記)
11/18 小同心クラック
今年の冬は八つ以外のバリエーションに手を出したいので、まだシーズン前だが八つに向かう。縦走に行く斎藤さんと分かれて、アイゼン慣らしもかねて先ずは小同心へ。今週末は強い冬型のため八つも風が強く稜線はガスで見えない。赤岳鉱泉から雪のない大同心稜を登る。予想以上の急登にまいったが急だけあって、大同心の基部まで一時間もかからずについた。見上げる大同心はえびのしっぽが張り付いて真っ白である。ここでアイゼンをつけて、基部のバンドをトラバースして点々とある赤ペンキにしたがって、大同心ルンゼを渡り凍った草つきを登って小同心の取り付きにいく。特に問題はない。小同心も真っ白だ。小同心基部の広いテラスでアンザイレンして正面のフェースに取り付く。
1P目:正面のフェースをチムニー目指して左上。チムニーに入りピナクルまで。最初は八ヶ岳特有のもげそうな岩に躊躇したが次第に慣れてきた。ピナクルにはしっかりしたビレイ点がある。40m。
2P目:ピナクルのテラスからチムニーをさらに登る。かぶり気味のところもあるが、ホールドスタンスは豊富。途中クラックは二つに分かれるが、東出さんは直上するクラックを登っていった。このクラックの入り口は、とても狭くザックが引っかかって大変だった。肩に出てビ
レイ。35m。
3P目:肩から直上もできそうだが、バンドを左にトラバースして、大同心側の凍った草つきを上って終了。15m。
相変わらず風は強いが、青空が見えてきた。ザイルを解かないで、横岳の直下で一応ザイルを出した。天気もよくなり時間もあるので、強風にあおられながら硫黄岳をまわって帰る。雪が少ないので今週末の八つは人が少なかった。
11/19 大同心南稜
風は強いが快晴の兆し。日の出前に出発して、かったるい大同心稜を登る。基部のバンドをトラバースしてゆき、テラス状になったところから取り付くことにした。ここに錆びたリングが一本あった。やや左にもリングがあった。
1P目:ルート図に?級とあるので、正面の傾斜の強くないところを直上。バンド状のところで岩にボルト2本のビレイ点があった。すぐ右に大同心ルンゼがあって、ほんとにここがルートなのか怪しくなってきた。左に行くバンドはない。取り付きがもっと左だとしたら、だいぶ傾斜はきついところから登るのだろうか?
2P目:それでもとりあえず、左に6mほどトラバースして(なぜかここに結構ピンがある。)、傾斜の強いところを直上。東出さんのナイスなリード15mほどで、非常にしっかりしたビレイ点についた。いったい何のビレイ点だろうか?
 3P目:ここが、1P目のビレイ点だとしたら、左にトラバースできるはずだが、できそうもないので、5mほど登ると、ピナクル(赤岳鉱泉から大同心を見るとドームの右にある、でかいピナクル)裏の左上バンドに出た。これを左上してゆくと、正面壁端で切れていたので、もどってカンテ上(ここに真新しいリングあり)を乗り越えてピナクルの右側を巻いて、’割れ目’でビレイ。30m。ルート図にあるピナクルってどこにあるのだろか?
4P目:15mほどリッジを伝って、ドームの基部へ。
5P目:僕の番だが、最初のフリーが悪く、東出さんに交代してもらう。情けない。全然単調のあぶみの掛け換えなんかじゃなかった。このての人工ルートは年々悪くなるのだろうか。ホキたシュリンゲだらけだ。フリーと人工が混ざり確かに難しい。連続したあぶみの掛け換えはほとんどない。しかし、実際、ルート図と異なり25mくらいで終了。
いったいどこを登ったのか、納得がいかないが、いつも八ヶ岳に来ると見上げる大同心の岩峰の上に立つことができた。次の目標は北西稜かな。

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