鹿島槍ヶ岳 北壁 正面ルンゼ

東出(記録)、広島
5:00 大町着 朝飯食ってタクシーで大谷原へ。約15分 5000円。雪が無く冷橋まで入れた。運チャンの情報では、彼岸の連休以来、下界では降雪無と。確かに駅周辺には雪が皆無であった。金曜日は低気圧通過で山沿いには若干の降雪があった模様。6:00 大谷原発。快晴。気温はやや低めか。赤岩尾根方面、天狗尾根方面ともトレースあり。荒沢までは左岸を渡渉せずとも行けたが、トレースに沿って行ったため、3度ほど渡渉。荒沢から馬の背までが急登だがあとは楽。トレースは金曜日につけられたもののよう。尾根沿いはトレースも雪で埋まっており、ひざ下程度のラッセルあり。第二クーロワール上で、午前中に下ってきたと思われるトレースあり。そのまま荒沢へ降りて行っていた。14:00 天狗の鼻着。誰も居ない。1パーティー幕営した跡があったが、その先へは行かずに戻ったらしい。携帯電話を試したところ、自宅につながったが留守電。雪洞を掘る。
6:30 出発。コルの先、1ピーク越えた先、登りに入るあたりからトラバース開始。7:00。9:00 蝶型右稜と主稜の間の小コルで登攀準備。氷のリボンが「登っていけよ」といわんばかりに、しっかり垂れ下がっている。天候と雪の状態があまりにも良いためだろう、まるで威圧感がない。氷を登れるパートナーがいれば快適な登攀が楽しめたところだ。無いものねだりをしても始まらないが。蝶型右稜から主稜側にも同様のバーティカルアイスが垂れている。来年は山スキーで入山し、速攻でこの2本を登りたいところ。今日みたいに状態がよければ十分可能だろう。F1下でスクリューを噛ましてアンザイレンし、登攀開始。
F1は雪を被ったボロボロの薄氷で、すぐに右壁に移るが、こっちもバイルが岩に当たりまくる。ただし高差5,6mほどなので大したことはない。その上はゴルジュ状の雪壁とナメ氷が続く。1ヶ所、2段のまともな氷がちょろりと出るが、やはり高さがなく、あっという間に通過。ゴルジュ出口手前でロープが一杯となり、ピッチを切る。氷のルートというには余りにしょぼいが、北アのこの景観のなかで登攀できることが楽しい。ゴルジュを出てからは緩い雪壁が続く。一応アンザイレンしたままスタカットで登る。雪崩の流路となっている部分は、ところどころ氷下した草付が剥き出しになっており、スリップできないところだが、ほかは落ちても自然に止まる程度の雪面だ。広島はいちいちバケツを掘ってアックスを埋めてビレイするので時間がかかる。まあこういう登攀の経験がないので仕方ないが。時間もあるので好きにさせる。コルから中央ルンゼ上部に乗越すと、さらに単調な雪壁が待っている。広島が雪崩を警戒し過ぎて、ブッシュの生えた歩きづらい右岸寄りを登るので、ルンゼ真中を登れと指示を出す。雪は十分落ちついており問題はない。頂上直下がクラストしており、岩の露出した基部を左から巻くように越えると頂上に出た。15:30。結構時間を食った。風も強まり寒いので、早々と冷小屋に向かう。途中、縦走路沿いの隠れたシュルントに2,3度はまって頭にくる。17:30冷小屋着。快適な小屋であったが、上へ抜ける計画のため、軽量化で酒を0.5リッターしか持ってきておらず、それは昨夜の雪洞で飲んでしまった。ひもじいなあと思いつつ就寝。
翌朝6:30発。赤岩尾根の上部から西沢を下る。8:30冷橋着。携帯でタクシーを呼ぶ。9:00 大町着。9:30の列車で松本へ。10:44の普通で高尾へ。14:30高尾着。シーズンも終わりだというのに、バーティカルアイスの未消化感がやけに残るなあ。

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