仙ノ倉山 北尾根

大林、逢沢(記)
山スキーで骨折してから、ちょうど一年が経った。今回は復帰第一戦として、以前から気になっていた仙ノ倉北尾根に出かけることにした。前夜の水上行きの最終で水上まで行き、湯桧曽まで歩いた。近いと思っていたら結構かかった。暗い夜道は、久しぶりの山のにおいがした。駅で仮眠し、翌日の始発で土樽下車。ここから毛渡沢橋までの長い林道歩きが、本日の核心である。仙ノ倉方面にはかすかな踏み跡があるのみで、先行者はいなそうだ。

途中、発電所の見回りの人とすれちがった。その人は、家にでも飾るのであろうか、マンサクの花を手に持っていて、雪国の春を感じさせた。今日は天気も良く、これから向かう北尾根が一望でき自ずと登高欲も高まる。毛渡沢橋は、とても渡れる状態ではなく、どうにかスノーブリッジを探し、恐々渡った。ここから北尾根に取り付いた。とりあえず樹林の中を登ると、急登になり尾根に出て、小一時間も登ると小屋ノ沢の頭についた。ここからの展望はすばらしかった。今年は、残雪が多い。ここから尾根は左に折れ、きれいな雪稜をたどってK4ピークに出る。ここまで来れば風も強くなり、雪面もクラストしていて、久しぶりのアイゼンの感触を感じながら、いくつかのピークを仙ノ倉側を巻きながら登っていく。ブッシュが少ないので、”滑落”には注意だ。K1そして大きなシッケイの頭を越すと、イイ沢河原の雪原に出た。4時を過ぎたのでテン場を探す。三ノ字の頭の毛渡沢側の斜面に小さな岩がみえ、その基部にちょうどテントの張れそうな場所があった。ちょうど風下なので、早速整地してブロックを切ったりして、テン場を作った。夜、風向きが変わり、努力は報われなかったが、国境稜線に出たらいいテン場はないだろう。

翌朝も、快晴。復帰の前途も明るい。三ノ字の頭を一登りすると、頂上は一投げ足だった。ここから、広い斜面を一人(二人)占めしながら、平標に到着。ここから、松手山を経由して、元橋に下山。空母苗場山や、日白山、足拍子が気になった。そう、忘れちゃいけないのが、例の、ヤカイ沢。結構急である。元橋のバス停は、便が少ないので暇つぶしに、歩いていたら幸運にも乗せてくれる方がいて、湯沢と言わないまでも途中まで乗せていただいた。そのおじさんは、今年は3月になってから急に積雪が増えたと言っていた。確かに、去年より多い。今年のゴールデンウイークは当たりかもしれない。バスで湯沢に出て、駒子の湯に入って、3時の鈍行で帰郷。上越の春を味わった思い出深い山行だった。次はどこに行こうか。

コースタイム
4/1 土樽駅 8:45 毛渡沢橋 11:30 取り付き12:30 小屋の沢の頭 13:30 シッ
ケイの頭 16:20 テン場 16:40
4/2 テン場 6:10 仙ノ倉頂上 6:50 平標山 7:35 元橋 9:40

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