信州 大谷不動

東出(記録)、徳永
例によって京王線府中駅に集合。今回は久しぶりの6級の氷瀑ということで、土日に有休を2日もつけて、気合を入れて菅平へ向かう。木曜晩とあって高速は空いており、順調に菅平へ。峰の原高原スキー場の1000台駐車可能な駐車場も駐車しているのは2台とガラ空きだ(週末でも空いているらしいが)。ちなみにここは無料なので非常に助かる。
翌朝は6:00起きで、ゆっくり茶を飲んで出る。天気は小雪が舞う程度。とりあえずシールをつけずに板を履いて林道へ。緩い下り坂が続く。大谷不動へのトラバースの林道から逆に緩い登りとなるが、シールが必要なほどではない。トラバース道は地図では途中で切れているが、実際は沢を横切って大谷不動まで続いていた。積雪はくるぶし程度までで少なく、林道終点までRVでも行ける感じである。峰の原側は、別荘地側から回り込めるのだろう。通行止めのゲートはあるが手で動かせる。宇原川沿いからなら、そのまま入れるのだろう。
大谷不動の台地は左岩壁の正面にあり、左と中央ルートが見渡せる。左のF1は核心のハングの氷がつながっていない。中央はF1の抜け口の氷が薄いつらら状で、岩が透けて見えるほどだ。とりあえず初日は到着が昼近くになってしまったので、右ルートに取付く。本流までは渓谷道が続いており、ほとんどラッセルはない。右F1は一見傾斜も緩そうで、垂直部もさして無く楽勝に見える。年のためスクリューを12本ばかり担いで取付く。氷はしっかりできているが、久々のバーティカルアイスは緊張する。ハングを目指して15mほど直上し、ハング下を左へ回りこむところが結構コワイ。その上5mほどは垂直だが、あとは傾斜が緩くなり終了。スクリューは8本使った。立木でセカンドの徳永をビレイする。氷の初心者には厳しいピッチだ。もっともここに「是非来たい」とのたもうたのは徳永だが。きっと「アプローチがスキーが使えて楽」という謳い文句に乗っけられたに違いない。3、40分くらい待ったろうか、待てど暮らせど登って来ず。聞くと「まだハング下にも達していない」と。日暮れも近づきつつあり、またF2も控えていることもあり、ユマールを使うよう指示する。結局、徳永到着16:00過ぎ。腕がホキてもう登れないので、F2は一人で登ってくれという。それならロープをセットしといて、明日F1をユマーリングし、一緒にF2を登ることにして懸垂開始。が、F1の懸垂ポイントは大きく張り出した岩の上にあり、岩壁からかなり離れて、空中を下りる感じで結構コワイ。バンジージャンプとはこんな感じかと思いつつ降りる。徳永も同じように感じたらしく、あえなく翌日のユマーリングは放棄してロープを回収。まあナメ氷を登ってもしかたない。
翌日、ゲレンデなれとも朝早く出る?つもりが、例によって起床係り徳永が寝飛ばして7:00出。7:15に本流取付き。徳永にF1でリード練習してみろと言ったが、「自信がない」と。しかたなく小生がリード。やや脆い氷で、また雪が少ないために露出しており、徳永では無理かもしれなんだ。F2手前右壁に6級の氷が控えていたが、徳永が登れるピッチでないので、とりあえずF2へ。50m一杯のなかなか立派な氷だ。ここで下部の3級マイナ程度の緩い斜面を徳永にリードさせる。一段上がったところでビレイ。ついで小生が上まで登る。緩し。上部はやや立ったところもあったが、徳永も時間はかかりつつも完登。ついでにF3も登る。懸垂して右側壁の氷前まで戻ったときには既に15:30。しかたないか。一見登れそうに見えた氷だが、乾いたもろい氷である。しかも取付きすぐ上の肝心な部分のつららが、下まで達していない。おまけにこのつららの集合体が薄い。最近登ったとおもわれるパーティーが残置したらしい、懸垂用のシュリンゲがすぐ上にゆれている。君子危うきに近寄らず。というわけで即撤退する。16:00。「本流だけか?」とがっくりしてBCへ。BCに戻る手前で双眼鏡で左岩壁を観察したが、中央ルートF1の抜け口が脆く、薄いつららの集合体でつながっているだけだ。おまけに左ルートは夕陽を浴びて、轟音とともに一部のつららが崩壊してしまった。君子危うきに近寄らず。
翌日は不動裏の氷瀑に向かうことにした。左岩壁をのぼれないとなると、あとは不動裏くらいしかない。月曜は天気も下り坂のようで、居てもしかたないので日曜一杯で下山ということで寝る。最終日、6:00出で不動裏に取付く。アプローチは3分。こんなルートはめったに無い。F1はナメ氷だが、ロープ一杯伸ばす。F2は両門状。本来は右がバーティカルで6級のはずが、寝ている。またか。正面から登ると3級になってしまうので、左側面を直上する。一応つららは下まで届いていたものの、乾いた氷で、取付きすぐ上の部分がやや脆い。アックスを引っ掛け気味に登る。中段で左に回り込み、そのまま直上。抜け口の氷が薄く、さらに右へ回り込んで終了。斜度は80度程度だが氷の状態で5級プラスくらいか。トップロープをセットし、次いで徳永が登る。苦戦。かなりロープに助けられて少しずつ登る。上部は比較的するするとクリアし終了。左の氷へトラバースして小生のみ登る。徳永はホキて登れず。左は右とは逆で、水氷を飛沫をかいくぐっての登攀。容易だが指がさむい。50m一杯に伸ばして終了。時間があれば不動前の氷瀑に行こうかと思ったが、結局BCに着いたら昼だった。そのままテントをたたんで駐車場へ。17:00着。面子を揃えてすべてのルートをクリアしたいところだ。
2/3 22:00 京王線府中駅集合
2/4 1:30 峰の原高原スキー場
2/5 7:30 スキー場発 スキーで入山
   11:00 大谷不動BC
   13:00 左岩壁右F1取付
   16:30 F1終了、BCへ戻る
2/6 7:00 BC発
   7:15 本流F1取付
   9:00 F2取付
   11:30 F2終了
   12:00 F3取付
   13:30 F3終了
   15:30 右側壁取付(敗退)
   16:30 BC
 
2/7 6:30 BC発、不動裏F1取付
8:30 F2右ルート取付
   11:00 終了
   11:30 左ルート取付(東出のみ登攀)
   12:00 終了
   13:30 BC
   14:00 BC発
   17:30 スキー場


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