海金剛

海金剛

■日時 3月10日(金)

■場所  海金剛

■目的  マルチピッチクライミング

■天候 晴れ

■ルート スーパーレイン

■メンバー ヨネさん、ミッキー、ツッキー(記)

■記録

5年ほど前、山登りを始めたばかりの頃、購読していた『山と渓谷』にマルチピッチクライミングの特集で海金剛スーパーレインが紹介されていた。
クライミングというものを知らなかった当時、綺麗な海をバックに、かなりの高度感のある岩壁の割れ目に手を突っ込み登っているクライマーの写真はかなり衝撃的だった。
その時は、まさか何年か後に、自分がこのルートを登る日が来るなんて、本当に夢にも思わなかった。

今回、海金剛の話が出た時に、今の自分のレベルでは、かなり難しいルートであるのはわかっていたので、参加させてもらうか迷ったが、可能な限り練習をして、思い切って参加させてもうらうことにした。

当日、早朝出発で、ヨネさんカーで、順次ピックアップしてもらい、東名、新東名、伊豆縦貫道を経て雲見オートキャンプ場へ。
ミッキーの情報では天候は晴れだが、伊豆地方強風注意報発令中とのこと。どれぐらいの強風なのか不安がよぎる。土肥を過ぎ、トンネルを越え南下するにつれ、風の音が強くなり、海岸線の木々がかなり揺れていて、白波も立っていた。
そして、何よりも予想外だったのは、かなり気温が低く、寒いということ。伊豆=冬でも暖かいと3人とも思い込んでいた。

雲見オートキャンプ場に駐車し(駐車料金500円)、管理人さんにアプローチの入り口の目印の電信柱を教えて頂いた。

アプローチ目印の電信柱

アプローチは踏み跡がしっかりあるので、迷うところはないはずだったが、歩き始めて5分ぐらいしたところで、一部だけ、上に上がるのか、下へ下がるのか迷うところがあった。しかし、その後はずっと水平から、下方向に移動していく形だった。ところどころ、崩れかけているところもあり、注意が必要だなと感じた。
10メートルほどの高さの岩場の下降地点では、信頼できそうなフィックスロープ2本を見極め、浮石に気をつけながら慎重にクライムダウン。激しく打ち寄せる波を右手に見ながら、しばらく岩場を歩き、正面壁基部の踏み跡に沿って歩いていくと、すぐにスーパーレインの取り付きに到着。顕著なコーナークラックなのですぐにわかった。

取り付きは亜熱帯な感じの樹林帯の中なので、それほど風の強さは感じなかったが、最初の打ち合わせで、風の音と、波の音で、コールが届かないので、この日はノーコールで、
ロープ操作のみでの合図のサイレント方式となった為、内心かなり緊張していた。
オールピッチ、ヨネさんリードで、セカンドがツッキー、サードがミッキーという形になった。この日は平日ということもあり、貸切であった。勿論、それを狙っての敢えての、平日山行としたわけで、他のパーティーを気にすることなく、自分達のペースで登れるというのは、とても有難かった。

1ピッチ目
コーナークラックは、手も、足もジャムがバッチリ効いて、とっても登りやすかった。

2ピッチ目
コーナーを少し上がり、右へ恐怖のトラバース。リードのヨネさんが、かなり慎重にトラバースしていたので、ミッキーと、あのトラバースかなり悪いんだろうね〜と話していた。トラバースへ乗り込む最初の1歩がすごく勇気がいる。2ピッチ目でも、すでに高度感はあるし、しかも3〜4mぐらいランナウトだし。ただ、乗り込んでしまえば、よーく見れば、薄いけどカチもあったし、細かいスタンスもあったので丁寧に体重移動をすれば、クリアできた。
トラバース終了地点で、一度ピッチを切っていたので、つるべ式で、そのままロープを引きずりながら3ピッチ目取り付きへ歩いて移動。

少しランナウトするトラバース

3ピッチ目
フィンガークラックから右上クラックはいよいよブッシュ帯からも抜け、更に高度感、露出感も増してきた。風当たりも強くなってきて、ロープも風で煽られるようになってきたので、今まで以上にロープの動きに注意を払った。
フィンガークラックは、登れるのか心配だったが、指もしっかり入り、それほど苦戦せずに登れた。

4ピッチ目
右上クラック部分は自分の手のサイズでは、ハンドではゆるゆるだったので、レイバックで登り、オフィズス部分は必死すぎて、どんなムーブで登ったのかすら覚えていない。

5ピッチ目、6ピッチ目継続
先人クラックは、フィンガークラックだったけれど、大きなブッロク状の岩の積み重ねのような感じで、階段状だったので、それほど難しさは感じなかった。
自分にとってはこの先の、乗越が一番の核心となってしまった。右手ハンドが決められず、何回もトライするもどうしても、乗越すことができなかった。城ヶ崎のアンクルクラックに似ているような感じがした。仕方がないので、アッセンダー(ロールンロック)を使い登ることとなってしまった。しかも、このアッセンダーが、6ピッチ目後半で、大きな角柱の岩の側面で、ランナーのビナとガッチリ食ってしまい、どうやってもロープのテンションを抜くことができずかなり長い時間ロスする形となってしまった。(もっと、早い段階で外しておけば良かったと反省)
終了点まであと4mぐらいの高低差だったが、被っている岩場だったのでお互いの姿が見えず、ロープを少し緩めてもらうように、何度もコールするが、波と、風の音にかき消されてしまい声が届かない。
ミッキーには、このピッチは先に登ってもらっていたので、ミッキーにセカンドビレイを交代し、ヨネさんが様子を見に懸垂で少し降りてきてくれて、状況を説明し、ようやくロープを少し緩めてもらい、アッセンダーとランナーを外し、右側のスラブを登って終了点へ。

先人クラックは階段状

7ピッチ目
ワイドクラックはもう、登る体力も、気力も使い果たしていたので、再びアッセンダーで登り、スラブを登って頂上へ

頂上では雄大な景色を堪能し、60mダブルロープで懸垂下降4回で取り付きへ降りてきた。

ヨネさん、ミッキーのおかげで、海金剛を楽しめ、そしてたくさんの事を学ぶ事ことができた。

海をバックに懸垂下降


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