谷川岳 一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁 中央カンテ

曽山・江原(記録)

今シーズン2度目の本チャン。当初は土日2日間で5人が参加する予定だったが、それぞれの事情で結局2人になった。 にぎやかに登るのを楽しみにしていたので残念。残った2人は(ルート変更せず)、中央カンテを登った。 雨の心配をしていたが、終わってみれば3時間の快適な登攀だった。核心部以外は困難なところもなく(A0が悔やまれる)、 正直少々物足りない感もあるが、まずはA0なしでも登れるようにしたいと思う。 また、前回手間取ったピッチ毎の支点作り・ザイル操作はつづら岩での岩トレの成果か、今回は比較的スムーズに出来て良かった。 実は曽山さんとは初めての本チャンで、何かホキなことをやって叱られると参るな~と参観日のような心境だったのだが、 つるべで快調に登ることが出来てよかった。次はダイレクトカンテですか?

7/7

22:00曽山さん宅出発。途中、前橋IC付近でかなりの土砂降りに遭う。もともと天気予報が良くないのを承知していたので 「こりゃぁ、敗退か~」と気分は沈んだが、ETC割引に関する勉強をしているうちに(詳細は集会で…)やんだ。 24:00、指導センター到着。先客なく、貸切状態。乾杯をして1:00前に就寝(後客もなし)。1:00頃には星がでていた。

 

7/8

烏帽子沢奥壁 中央カンテ 4:00起床。雲が浮かんでいるが概ね晴れ。朝食後、勇んで出合に向かう。悪い天気予報のためか出合の駐車場は空いていた。 4:35、出発。出合のすぐ上で巻き道を使うほかは雪渓通しでテールリッジまで行くことができた。 雪渓からテールリッジへの乗移りも問題なし。ここで女性ばかりの3人パーティーを抜いて僕たちがこの日の最先行となった。 乗移り直後の崩壊箇所も前回よりは安定した感じ。5:30、中央稜の基部到着、登攀準備。 6:05、登攀開始。全ピッチつるべで登る(江原→曽山さんの順)。 登攀開始前後、どんよりとかなり暗く曇って天候が心配されたが、その後は快方へ向かった。

1P:バンドを右に水平トラバース後、凹状をたどる。トラバース部分は可愛らしい庇のように突き出した真っ平な小さな岩(スタンス)が印象的。前回の印象からあまり良いイメージのないピッチだったが、格段のことはなかった。
2P:凹状を左上気味にたどり、中央カンテの基部まで。45メートル。曽山さんはランニングを一箇所も取らずに登る。
3P:基部から左上してカンテ上に出た後、カンテを直上。左上部分が濡れていたが、後は快適。
4P:カンテから、カンテ左側に入り、チムニーの下まで。

 

5P:傾斜の強いチムニーを登り、一段上の小さな草付テラスまで。チムニーは奥が濡れていたのでなるべく浅いところにスタンスを求めて登った。楽しいピッチ。
6P:(あまり印象がないが…)核心部の下まで、快適なフェース。
7P:2段に分かれた核心部から崩壊して随分狭い4畳半テラスまで。1段目は3メートルほどの垂壁(フェース)、2段目はやはり3メートル程高さのクラックをレイバックで。2段目では濡れている部分が気になってA0してしまった。
8P:テラス上の傾斜の強い、狭い凹状を左上。濡れていて嫌らしい。
9P:快適な黒いフェース(少し草交じり)を左上、本来の終了点がある烏帽子岩の直下よりはやや左下にある懸垂支点まで。乾いているが、手に痛いような鋭い岩角が多かった。

登攀終了、9:00。このころ再びどんよりと暗くなる。

烏帽子岩の裏を懸垂で(30メートル程度、下部は空中)ルンゼに降り、降りたルンゼをさらに懸垂で右岸へ渡る(右岸はヤブを漕いでの登り返し)。そ こから6ルンゼに入り、1Pの懸垂で南稜の終了点の左へ、あとは南稜の渋滞を横目に下降ルートをたどる。11:00、南稜テラス到着。懸垂前に天気の心配 をしていたのが嘘のように国境稜線までくっきり見える好天になっていた。貸しきりのテラスで昼食を食べ、ゆっくりと大休止。中央稜には3人パーティーが2 つ、変形チムニーに1パーティー(もう烏帽子岩のところ)。また南稜最先行のパーティーが2P目を懸垂中。他の人の緊張(?)を尻目にのんびりとくつろぐ には最高の場所だと思った。 本谷バンドには小さな雪渓が残るのみで、来週には本谷の各ルンゼにも取り付けそう。(落石がすごそうだが…)が、上部のAルンゼはびっしりと雪が詰まって いた。次はどこを登ろうかとグルグル見回しながら下山する。テールリッジは上部で2回、下部で1回、懸垂(シングルロープ)した。南稜テラスからの下りで 一汗かいた後の雪渓の風は冷たく気持ちよかった。12:45、出合到着。 湯テルメに入って帰京。帰りの高速の眠かったこと…。


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