■日時 8月12日(金)〜14日(日)
■場所 瑞牆山
■目的 フリークライミング
■メンバー 飯田(記)、熊田
■コメント
瑞牆山で集中的にマルチピッチを登り込んできた。
8月12日(金) 調和の幻想〜ベルジュエール継続
朝暗い内に植樹祭広場を出発。
末端壁に向かうが、暗闇の中のアプローチで少し迷ってしまった。途中のKUMITEボルダー付近の分岐を左に進んでしまいクラック地獄エリアに入ってしまったと思われる。
6時頃に調和の幻想登攀開始。
順調に登攀し、取付にもどってきたのは9時頃。続いて正面壁に向かう。特にコメントはないが調和の幻想はやはりいいルートだと思う。
10時頃、ベルジュエール登攀開始。
1年前のトライで惜しくもオンサイトを逃した1P目(5.11b)は1年越しのRP。
2〜4P目をこなし5P目の大フレークに入るところでベルジュエールのタイムアタックをしていた某有名クライマーに道を譲る。
大フレークを走るように登っていくその姿はまるでダン・オズマンのようだった。
6P目のスクイズチムニーで悶絶し、8P目のT時クラックでは疲れから登攀中叫び声が滲む。
10P目を登ったあとに気付いたのだが、自分がベルジュエールの最終ピッチと思って登っていたのは、実は秋一番の最終ピッチだったようだ。(だから本当は僕はベルジュエールを完登したことがない)
終了点で懸垂準備をしていたところで、再び某有名クライマーがものすごい勢いで走って(登って)きた。つまり5P目で我々を抜いて降りてから再び登ってきたということになる。
17時頃、肩の広場から徒歩下降し、正面壁基部で某有名クライマーのご厚意で燕返しのハング下の岩小屋にギア類をデポさせて頂く。これは有難かった。
植樹祭広場に戻り、ヘルシーパーク川上で一風呂浴びてから酒飲んで就寝。
8月13日(土) アレアレア
昨日よりは遅めに出発。
今回の特訓でクライミング難易度的には核心となるルート。
ギア類をじっくり吟味して9時頃に登攀開始。
1P目(5.11d)の燕返しのハング下を右上して越えるルートでいきなり大苦戦。ライン取りに悩む。正規ラインの外傾ホールドが持てず、ムーブを起こすことが出来ない。
右の脆いバンドから巻いて進む。ハング抜けの部分はウェブ記録でみたガバホールド崩落の跡がクッキリ。だがグレードが変わるほどの影響はないのだろう。
2〜3P目は優しい(やらしい)スラブをこなし、4P目はベルジュエールでは右に巻いた台形状フェイスをボルト、カムを駆使して絶妙なライン取りで登るピッチ。5.12aのピッチだったが核心のポケットムーブが解決出来ず。その上のスラブパートも突破できない。粘ってはみたが16時頃、敗退を判断。ハイライトのフィンガークラックに辿り着けないという苦い結果となった。
懸垂で取付〜植樹祭広場へ戻る。
8月14日(日) 秋一番
今回の特訓で精神的、肉体的に一番懸念していたルート。考えただけでも憂鬱になるあのルーフチムニー。。(どんなルートかは日本マルチピッチルート図集の壮絶な写真をご覧下さい)
1P目は以前登っている山河微笑と同じ。
2P目は5.10bだがリングボルトのプレッシャーに負けてテンション。三日目の疲れを実感する。
3Pのチムニーをこなし、4P目の取付き方で暫し迷う。4P目は素晴らしいコーナークラックだが大分と掃除が必要で勿体ない。
5P目、懸念のルーフチムニーだが期待(?)通りの大奮闘。全身痣だらけでTシャツの背中は血で滲んでいた。
満身創痍、登攀胃袋的には満腹の中、6P目は上部でベルジュエールに合流する美しいT字クラック(草ボーボーだったが)。これは元気なときにまた登りたい。
6P目終了時点で18時となっていた為、残り1Pを残して(既に初日に登っているが)肩の広場からの徒歩下降開始。リード、セカンドともにヨレヨレで20時植樹祭広場到着。今回の瑞牆マルチピッチ訓練は終了となった。
体力的、登攀能力的にも課題は残るが、秋にまたリベンジ、回収していきたいと思う。秋一番以外は。