■日時 2016年7月2日(土)、3日(日)
■場所 小川山、瑞籬山
■目的 マルチピッチクライミング、クラッククライミング、フリークライミング
■メンバー ヨネさん(両日)、E田さん(3日のみ)、K田さん(3日のみ)、クロ(記)
■天候 両日とも晴れ~曇り
■7月2日メニュー
小川山烏帽子岩左稜線(18P, 5.8)
■7月3日メニュー
不動沢・屏風岩エンペラータワー
寒々ルート3P 5.7(ヨネさんL、クロTR)
皇室への招待1P 10c(E田さん、K田さん)、2P 11c(E田さん)
不動沢・屏風岩正面壁
JECCルート11a(E田さん)
不動沢愛好会ルート1P 10a(K田さん)
百獣の王11c(E田さん)
■コメント
初日は、小川山烏帽子岩左稜線(18P, 5.8)をアルパインクライミングのトレーニングとして、ヨネさんと私がツルベで登攀。

1P目はクロがリード (ヨネリーダーによる実力テスト)
とはいえ、登攀技術的に難しめのピッチ(例えば、13pのハンドクラックや18pのチムニー等)はヨネリーダーがリードして下さり、私(クライミング初心者)は簡単なピッチを担当した教育的配慮に溢れた変型ツルベです。

最終18Pをリードするヨネさんの勇姿
ヨネリーダーから技術指導を受けながら、稜線からの眺めとトラッドクライミングを満喫した楽しく充実した一日でした。

高度感のある楽しい稜線歩き♪
時間
8時40分廻り目平キャンプ場駐車場発
(渡渉やルートファインディングのアドバイスを受けながら取付きに向かう)
9時30分取付き
10時登攀開始
18時登攀終了
18時15分下降開始
19時廻り目平キャンプ場駐車場着
感想
本チャンデビューに向けていろいろと課題が見つかったので、これから一つずつ改善していきたいと思います。ピッチ数が多いとスピード感は大切だと実感しました。例えば、以下の点により気を配ってトレーニングを続けたいと思います。
- ダブルロープであってもロープ捌きを早くきれいにする
- ピッチの切り方の見極め
- プロテクション戦略を考えてランナーを取り、多支点のビレイ支点を臨機応変に作成する
- 懸垂下降で安定悪くて振られてタイムロスしない
- ルートファインディングに時間をかけて正しいルートを選択して結果的に時間短縮
- 登攀能力(特にクラック)を上げて時間短縮
プロテクションとアンカー、装備の備忘録
ルートの要所にはハーケン等残置支点や懸垂支点はあるものの、数は少ない。
基本的にランナーや各ピッチの終了点はカムやナッツ、木や岩を利用して自分で作ることになり、トラッドクライミングの技術が必要。トラッドクライミングの醍醐味である、初登者の気分が味わえた。
装備について気付いたことは以下のとおり。
今回は本チャンに向けた訓練のため60メートルダブルロープで登ったが、50メートルシングルロープでもOK。
シュリングは多めがよい、特に長目のシュリング数本(1パーティーで120センチと180センチを各数本)はプロテクションのために必要。
ランニングビレイ用のクイックドローは多めがよい。
カムのハンドからフィストを良く使うルートだった(カムはキャメロットの1番から3番までを1セット持参したが、4番も持って行けば良かったと思った)。
日没後行動に備えてヘッドランプ持参。

終了点から。長かったようであっという間の18P!
2日目は、瑞籬山でクラッククライミング。
私は、人生初瑞籬山、初ワイドクラック。「寒々ルート」が瑞籬で一番簡単なルートだよ~と言われても正直ピンとこないくらい、瑞籬山のグレードは厳しく、ワイドは悪かった。
出だしからハンドジャムが効きそうなポイントにはすでに2番のカムが挟まっていて、ハンドジャムをフィストに切替えざるをえなくなり、ジャミングのデリケートさを体感。
男性がフィストやアームが決まるはずの隙間に私は肩まで入れても全く止まらず、ニーロックと背中のフリクションを頼りにずるずると体を引上げ、コーナーのガストン持ちで握力を使い果たし、エレガントとはほど遠いクライミング。
全身を使って登った変な達成感はあったので、ワイドにハマるクライマーの気持ちがちょっとだけ分かった。前日の左稜線で短いワイドは登っていたけど、人生初めてのワイドはとにかく疲れた。
次のチムニーは、疲労が溜まっていたのかバック&フットが全然決まらず体が持ち上がらなくなり、途中でギブアップ。前日の烏帽子岩左稜線18P目を快調にこなしていた直後なので、この敗退宣言にはヨネリーダーもかなり想定外だった模様。
図らずもプルジックをかけたロープ登りで終了点まで登り返すことになり、数週間前の確保トレで習ったロープの登り返し技術を現場で実践することになりました。ワイドクラックを登るからという理由で自己脱出用のタイオフしたスリングは取付きに残していたものの(汗)、たまたまハーネスにつけていた一本のスリングとアルパインクイックドローのスリングがあったのでセーフでした。いくら軽装とはいっても最低限のスリングはハーネスにつけておくことの大切さを学びました。また、ヨネリーダーのトラブル時の冷静さと確実な技術は見習いたいものです。
自分の登りとビレイに集中するあまり、E田さん、K田さんが難しいルートを登られているのを観察する余裕は残っていませんでしたが、クラックを堪能されたとのことです。次回は観察できるだけの余裕を持ちたいです。

百獣の王11c