■日時 8月21日(金)〜23日(日)
■場所 北岳バットレス
■目的 アルパインクライミング
■天候 8/21 曇りのち雨 8/22 くもり 8/23 晴れ
■メンバー 小林さん、北野さん、タナアミ(記)
■スケジュール
8/21 入山 芦安バス停から広河原、登山道を登り白根御池小屋でベースを張る その後下部岩壁までのアプローチを偵察に行く
8/22 バットレス第四尾根を登攀
8/23 ベースの撤収、下山
■タイムテーブル
8/21 05:15芦安バス停 → 06:05広河原 → 09:45白根御池小屋AM10:30 → 11:30C沢D沢の中間尾根 → 12:30下部岩壁取り付き13:00 →14:00白根御池小屋
8/22 04:00白根御池小屋 → 06:00下部岩壁取り付き06:30 →(第5尾根支稜,横断バンド,ヒドンスラブ)→ 10:30第四尾根取り付き11:00 →17:00第四尾根終了点 → 17:30北岳ピーク → 18:00北岳肩の小屋 → 19:30白根御池小屋
8/23 07:30白根御池小屋 → 09:30広河原 → 10:20芦安駐車場
■コメント
ルートの第4尾根自体に入ってしまえば迷うことなく登れるのですが、アプローチの下部岩壁で迷ってしまいました。ルートファインディングはリーダーに頼ることが多かったので、この山行ではルートファインディングの難しさを体感できました。まさにアプローチ核心!
第四尾根へのアプローチの下部岩壁では、タナアミがリードしました。ガスでホワイトアウト、前日までの雨で濡れ濡れの下部岩壁は、さくさく登れなかったです。濡れた岩に埋もれた赤茶けたハーケンはなかなか見つけづらく、登ったもののハーケン・リングボルトが途中で無くなったためクライムダウンすることが1度ありました。スラブとはいえ濡れたスラブのクライムダウンは怖いものでした。
第四尾根1p~5pのマッチ箱からの懸垂下降前まで、小林さんがリードでした。1pにつき30分として時間計算をよくしますが、概ねそのペースで5pまで終了することができました。
マッチ箱からの懸垂下降のときハーケンが抜けるところを初めて目撃しました。懸垂支点の上側のリスに打たれた、まだ綺麗なハーケンに小林さんがセレブビレイをとり体重をかけたところ、ハーケンが抜けました。ハーケンの打ち込みが甘いのでなく、岩自体が浮いたのです。大事にはならなかったのですが、そのハーケンは抜けたままにしておきました。下手に打ち直しても岩が浮いているなら危ないだけです。
マッチ箱からの懸垂下降後の6p~8pは北野さんがリード担当。このあたりでガスが一時だけ晴れて、八本歯のコルや大樺沢、第四尾根の城塞までよく見えました。そのときに初めて「ずいぶん高いところでクライミングしてたんだな」と思い知りました。下部岩壁のアプローチから徐々に高度を上げていくのならばまだしも、いきなり高度3000m弱での岩場と景色を見せられると怖さを感じるものです。
7pの枯れ木テラスから城塞基部へのトラバースが一番スリリングなところでした。かなりのナイフリッジで、手をリッジにおいてぶら下がる姿勢をとると、足のスタンスが良くない。スメアリングでごまかしつつトラバースする、そんな感じでした。前日までの雨も一時の晴れ間で乾きつつあったので、岩のフリクションがあって問題なかったのですが、もし雨が降っている最中であればかなり危険。再度このルートを登るときはそのことを忘れずに留意しておくべきかと思います。
8pの城塞の上部へ上がるチムニーは、染み出しなのかドコモカシコモ濡れていてアップグレーディングしてました。カムを万能A0ツールとして使いながらテンション交じりでロープを伸ばしていく登攀になりました。濡れていなくてもイヤラシイところですよ、あそこは。
北岳ピークについたのは17:30近く。登山の時間感覚であればもう誰もいることはないと思っていたのですが、それなりに登山者がいました。肩の小屋が標高3000mでピークから30分で下りれるからですね。白根御池小屋に戻れたのは19:30で、すでに真っ暗。ヘッデン下山となりました。