ここ最近、緑の山行は盛況を極めており、春の合宿に向けた今回の雪訓の参加者は兄弟会のベルニナ山岳会の方々を含めると延べ15名の一個小隊強の人数となった。
特に緑の新人が去年のから軒並み増えたせいで代表は
「一気に新人が増えて対応仕切れん!」
っと、嬉しい悲鳴を上げている。
自分も去年入会の立派な新人なので、出来る限り迷惑をかけないように心掛けたい。
今回の参加者は緑からM-spo(代表)、irisさん、タクさん、PONDさん、ryo、マーチン、gomi、YONEさん 、tamaちゃん、arthur、tuka(自分)
ベルニナからパニさん、Kさん、粉骨チーフ、スミさん
が参加した。
金曜夜、人数が多いので緑からは車4台が居住地域別に出動し、土合駅で落ち合う事となった。
一番乗りのirisさんがスペースを確保してくれていたのだが、改めて緑のメンバー全員が駅に集合し、寝酒を囲み出すとその物々しさが半端ない。
土合駅には他の登山客も多数マットを広げ寝付いている方々もいる。
小声で乾杯をしたのだが、結局寝付く前にはベルニナの皆さんは到着せず、2時にはシュラフに潜り込んのでは無いかと思う。
翌朝7時起床
さすがにベルの皆さんも夜中に到着していたようでムクムクとシュラフから抜け出して来た。
外を見るとなかなか激しく雪が降っている。
天気予報でも雪となっていたが良い方向にはハズレてくれないものである。
お湯を沸かしてコーヒーを飲みながら軽く朝食をとって、ゴンドラの駐車場に向かった。
駐車場で準備を済ませ、9時に指導センターに行き登山届けを出してマチガ沢へと歩き出した。
いざ、登山道に入り一列に進む行列はもはやガイド登山の一行と間違う程の人数であった。
代表に
「昔はやっぱりこんな人数で山に入るのは普通だったんですか?」
っと聞いてみると
「いや、ここまで多いのは初めてじゃねーか?大体、10人位までだったような気がするなぁ。」
っと、過去にもなかなか無い参加人数だったようだ。
40分程度で出合に到着。
マチガ沢へは登山禁止のロープが張られているが雪崩ポイントの遥か下での雪訓になるため構わずロープを跨いでマチガ沢に入って行った。
雪は相変わらずで更に横殴りの風まで吹いて来た。
雪訓メニューの1つ目は歩行訓練。
ツボ足で両手を頭に置き、体のバランスだけで傾斜を登ったり下ったりトラバースをしたりと歩き方のコツを見た。
次は、アイゼンを履きピッケルを片手に持って同じように歩行訓練を行った。
2つ目のメニューは滑落停止訓練。
安全の為、アイゼンは脱ぎピッケルだけ持ち、傾斜を思い切り滑り落ち、ピッケルで滑落を停止する。
動画のように失敗すれば単なる滑落になり、本チャンでは半ロク(重症)、即ロク(死亡)と言ったところだろうか。
12時半、丁度良い時間になったので、ここで大休止。
吹雪の中で昼食をとった。
3つ目のメニューはスタンディング・アクッス・ビレイの訓練。
想定はリードのクライマーが雪面を滑落してしまいビレイヤーが肩がらみで確保すると言うもの。
ビレイヤーのアックスのセットも勿論大切たが、ビレイを成功させる一番のポイントは滑落者をガチ止めしないでロープを流して摩擦で滑落を止める事。
動画では滑落者が狙い過ぎて目立っているがビレイヤーが綺麗にロープを流して滑落停止している。
ちなみに、この日の夜のご飯は豚汁じゃなく酒粕汁である。笑
15時、初日の訓練はこれで終了。
荷物をまとめ出合に戻りテントを張る作業に取りかかった。
今回、2度目の出動となるスタードームテント(6〜7人)と4人テント二張りのスペースを作るため、1時間位かけて雪を掘り下げた。
初日で帰る予定であったYONEさん以外に連日の激務が祟って調子が出ないryoもあれだけ豚汁(本当は酒粕汁なのだが)を食べたがっていたのだが帰る事となった。
17時半、ギチギチではあるものの全員がスタードームに集まり乾杯をした。
酒を飲みツマミを食べているうちに段々と酒粕汁を食べる余力が無くなってしまうという事で酒粕汁の準備も開始、19時半頃に美味そうな酒粕汁が出来上がった。
丁度そのあたりのタイミングで後発隊のベルのパニさんが到着した事と酒の量と共に話はどんどん盛り上がり笑いの絶えない時間が延々と続いた。
酒を飲み慣れていないgomiは梅酒を1杯飲んだだけで酒が回ってしまい酒粕汁を食べる前に早々にリタイヤして4人テントで寝付いていたのだが自分も24時を回る前には酒が回ってしまい、皆さん方より先にarthurと共に4人テントに引き上げ寝る事にした。
翌朝7時起床、テントの外を見ると初日の吹雪が嘘のように晴れ渡っていて最高に気持ちの良い朝を迎える事が出来た。
朝食はカレーうどんだったのだが、これまた13人分を同時に作るのが骨の折れる作業だった。
二日目の雪訓メニュー1つ目はビーコン操作の訓練。
1つだけ送信モードにしたビーコンを何処かに埋めて残りは受信モードにしながらビーコンを探すわけだが、これがなかなか見つからない。
ビーコン操作が悪いのかビーコンが古くてそもそもの性能が悪いのか…?
本気で人命救助を考えるのであればやはりその両方を改善しないと駄目だろうと自分は思った。
2つ目のメニューはゾンデを使った捜索訓練。
1m強の深さに横穴を掘り、実際人にゾンデが当たった時の感触の違いを確かめる。
靴など硬い箇所に当たった場合や背中など体に当たった場合の違いは一目瞭然だった。
更にビーコンを持って穴に入ってもらったのだが、反応はすこぶる悪く、この深さに潜ってしまった場合、救助して生還させる事の難しさと言うのが良く理解出来た。
3つ目のメニューは埋没訓練
これは埋没することを訓練するわけではなく、雪に埋まった人にたいし雪上から大声で声を届かすにはどうしたら届きやすいかと言った所が主旨になるのだが、どちらかと言うと、人を雪に埋める事を楽しんでいたような気もする。笑
ちなみに、自分も雪に埋めてもらったのだが、やはり閉塞感と身動きが取れない何とも言えない不安感と言うのは十分体験できた。
4つ目のメニューは雪洞掘り
チームをマーチン、tamaちゃん、自分のチームとgomi、arthurのチーム分けて雪洞を掘った。
今回、雪洞掘りは初めての体験だったのだが、スノーソーを斜めに入れてブロックを切り出して掘り進めるテクニックは凄く勉強になった。
小一時間程度掘って人が二人入れる程度の雪洞が掘れた。
このあと、雪洞の強度テストと称し雪洞の上に立ってどの程度もつかを確認したのだが、雪の層がしっかりしていたのでただ人が立つだけでは全然崩れなかった。
敢えてジャンプをしてみてやっと崩れる訳だが、さすがに雪洞の上でジャンプをする馬鹿者は本チャンではまずいないだろう。
一通りのメニューを終えて今回の雪訓は終了となった。
出合から指導センターまで歩き車でいつもの谷川温泉で湯に浸かり帰宅した。
今回、雪訓に参加し特に去年末のベルニナ主宰の雪訓に参加していないメンバーは凄く良い勉強になったかと思う。
自分もそうだが、各自課題が出来たと思うので出来るだけ山行に参加して春の合宿までには課題を消化したいところだ。
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