奄美大島沢登り事情

記録:Yone

この記録は、2020年夏に家族で訪れた奄美大島における沢登り事情である。

そもそも奄美大島で沢登りが成立するのか。まずは島の特徴と気候について確認する。

奄美大島は周囲460km、これは東京から盛岡の直線距離にほぼ等しい。島といいつつも名前に”大島”とつくのも納得がいく大きさだ。

気温は年間平均が21.6度、4月~11月まで平均の最低気温でも15度を切らない。年間でもっとも寒い一月の最低気温でさえ、12度である。年間を通して快適な沢登りが楽しめそうだ。

降水量をみてみる。年間合計降水量は3000mmである。屋久島の4700mmに及ばないものの、この数字は、東京のおよそ2倍、沖縄と比べてもおよそ1.5倍であり、水が豊かであることが想像つく。

島の大きさと気候を調べるだけでも奄美大島における沢登りが期待できそうだ。

実際に沢登りが実践されているだろうか、それが問題だ。こちらはgoogle先生に頼ってみる。「奄美大島」「沢登り」で調べてみると、およそ11,000件の結果が返されてくる。お、期待できそうか?

しかし細かく見ると、屋久島が混ざっていたり、キャニオニングっぽいものがあったり、極めつけは重複を排除すると70件程度になってしまった!

記録だけ見ると奄美大島における沢登り事情はそれほど盛んでないように見受けられる。

ちなみに屋久島は検索件数が296,000件となり、およそ30倍である。やはり、世界遺産のおかげか、それともほかの事情があるのか。

奄美大島についたら現地の人に聞いてみた。とりあえず宿の人に沢登りができるスポット等を尋ねる。

自分「すみませーん、ちょっと聞きたいのですがここ(奄美大島)で沢登りのスポットってあるんですか?」

宿の人「沢登りですかあ、沢とか川はたくさんあるけどあまり聞いたことないですねえ。」

いきなりな返事で心が折れかけるが、もしかしたら渓流釣りでスポットがあるかもしれないと考え、

自分「渓流釣りとかはどうですか?」

宿の人「名瀬に釣り道具やあるけど、ほとんど海釣り用ですねえ。ちょっと知り合いにも聞いてみますね。」

そして夜に連絡が来たとところ、

「知り合いにも声かけたんですがあまりやっていないみたいですねえ、そもそもハブがでるし」

ハブ!!!そういわれてみればここはハブの名産地。奄美ではハブを捕まえると報奨金が出る。宇検村にはハブを捕まえておく巨大なガラス水槽があった。

奄美大島で沢登りがあまり盛んでない事情には、ハブが絡んでいる可能性が高そうだ。

そうはいっても、せっかく奄美大島まで来たのに全く沢に入らずに帰るものもったいない。海にはふやけるほど使っているが、やはり沢の水は違う。そこでアプローチが簡単な滝はないかと調べたところ、ありました!マテリヤの滝!!!マテリヤは奄美大島の言葉で「真上にある太陽で暑い」という意味らしい。

奄美大島での初沢だぜ、と胸を躍らせて名瀬から車で2時間。たしかに駐車場からのアプローチもよく、ハブの心配はないものの、、、うーむ、濁っている。しばらく続いていた雨で見るかに濁り水。

ちなみにgoogleで検索すると名前負けしない美しい滝が。。。

しかし来たからにはせめて沢につからなければ、、、ということで泳ぎました、息子が。。。確保は念のために持ってきたポリプロピレン3mmロープ。

さて奄美大島の記録で最も出てくるのが「タンギョの滝」。この滝は住用川にあるらしい。ちなみにマテリヤの滝は住用川の上流に位置する。

住用川の河口にはマングローブの森があり、カヌーが楽しめる。ここで働いている兄ちゃんとたまたま沢登りで話が盛り上がり、衝撃の事実が、、、

自分「この辺にタンギョの滝ってあるんだけどどんな感じなんですかねえ」

兄ちゃん「それって住用川のタンギョの滝のこと?」

自分「え、それってどういう意味???」

兄ちゃん「タンギョは奄美大島で”滝”という意味。だから地元の人が住んでいる場所によっては住用川の滝だったり、川内川の滝だったりするよ」

な、なんとタンギョ=滝。タンギョの滝だけでは場所が同定できないことが判明。

ただ記録を読んでいるかぎり、九州最大でありながら、幻と呼ばれるタンギョの滝は、住用川にありそうだ。そうはいいつつ、このルートにもハブはいる可能性がある。滝を登って沢で一泊というのはなかなかスリルがありそうだ。

次回はぜひ奄美大島の沢登りに挑戦してみたい(ハブは怖いけど!!!)


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