ベルニナ山岳会主催 確保トレーニング

神奈川県立山岳スポーツセンター

■日時 6月12日(日)

■場所 神奈川県立山岳スポーツセンター

■目的 確保トレーニング

■メンバー S山さん、G味さん、mikeさん、ベルニナ山岳会の方々、横須賀山岳会の方々、クロ(記)

■天候 晴れ

■メニュー

・肩絡みでの墜落停止、確保器での墜落停止(クロのみ)、支点へのテンション移動、半マストヒッチでのロワーダウン

・宙づり状態での自己脱出、登り返し、仮固定

・人工壁での登攀トレーニング

■コメント

滑落者確保トレーニングのメインは、人工壁上部からウインチで吊し上げられた約15メートルの高さから落下する体重60キロの登攀中のクライマー、もとい古タイヤ、をビレイヤーとして止める動作の練習です。東京には山岳会がタイヤ落としを含む確保トレーニングを体験、練習できる施設がありません。そこで、兄弟会のベルニナ山岳会と横須賀山岳会のご協力のもと、毎年2回初夏と初冬に、神奈川県立山岳スポーツセンターで、このような墜落者確保技術のトレーニングを行っています。

まずは、確保器を使わずに「肩絡み」で落下するタイヤ滑落者を停止できるようになるための訓練です。止めたい一心で「ロープを握る」と吹っ飛ばされるので、「ロープを流す」ことで摩擦により落下を止めるとのことですが、ロープを流すのはかなり技術(と体重)が必要な職人技です。ベルニナ山岳会のベテランの皆様は平然とロープを流していらっしゃいましたし、G味さん、mikeさんは、ガチ止め気味になりつつも練習の甲斐あって吹っ飛ばされかけつつも止められていました。一方、初めて体験する私は、走る人を滑落者に見立てて止める練習をしてから、本番のタイヤ落としに臨んだものの、タイヤよりもだいぶ体重が軽い上に重心が高すぎで体の向きがロープと並行になってしまって、毎回のように吹き飛ばされるかバランスを崩して地面に倒れ込みました。ベルニナ山岳会・横須賀山岳会の皆様の貴重なアドバイスを受けつつ、肩絡みでのタイヤ落とし確保を10回近く練習した(けど吹き飛ばされ続けた)ところ、分厚いGジャンを羽織っていたにもかかわらず、ロープの摩擦で肩と背中にみみず腫れをつくりました。

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肩絡み確保(mikeさん)

次に、肩絡み確保が自分にはまだ有効でないと悟ったのとクライミングでの確保の場面を想定して、確保器を使った墜落停止訓練を特別にさせて貰いました。確保器(ルベルソ4)を使った場合は、重さ60キロのタイヤを私でもきちんと止められることが分かり、支点へのテンション移動、ロワーダウンまで一連の動作を練習しました。自己確保に強く引っ張られるほどではなかったものの止める瞬間にカラダが宙に少し浮くことから、壁への激突を避けるためにも自己確保の大切さを実感しました。

そして、宙づり状態での自己脱出、登り返し、仮固定をみっちり練習です。もし本チャンで登り返すことになったら相当にヤバイ場面なので必死になるのでしょうが、練習自体は楽しいロープ登りです。プルージックは、結び目の奇麗さが命であり、スリングの巻き付けがロープの表面にぴっちり揃っていないと、巻きの接地面が少なくなりフリクションと制動が減少してしまいます。S山さんが口酸っぱくきれいにとおっしゃっていた理由がよく分かります。きれいに素早く片手で巻けるように練習していきたいと思いました。

トレーニングは午前中で終了し、午後は15メートルの人工壁でのクライミングを楽しみました。

最後になりましたが、タイヤの落下装置のセットを行って下さり、またいろいろと実践的なアドバイスを下さった、S山さん、ベルニナ山岳会と横須賀山岳会の皆様にお礼を申し上げます。


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