東京緑山岳会
魚野川万太郎本谷
02年8月31日~9月1日
大林L(記録)・江原
8月最後の日曜日、ジャブジャブと水に戯れるのも良いかと万太郎本谷へ向かう。昨年7月、 雪渓が残っていて逢沢パーティーは敗退したらしいが、今回は時期も良い。 江原号で入山。JR土樽駅でビバーク。ホームで寝ていたら、翌朝、山小屋泊のハイカーに起 こされる。車で茂倉岳登山口Pへ。車をデポ。 そこから、対岸に渡って万太郎取付を目指し林道を歩く。いよいよ遡行を開始するも、まずは 河原歩き。右手に関越トンネルの換気口を見て、ようやくオキドウキョ手前の6m釜滝へ。私、 へつり中、ツルテンジャボン。予想外に早くも泳ぐ始末となってしまった。続いて、オキドウキョ のトロ20m。ここが本当の泳ぎ(そう、長くはない)。バンドをへつることもできるが、私はもう濡 れているし、泳ぎの練習をするかとトロで泳いで遊ぶ。江原も左岸の岩に登ってトロへ飛び込 んだりして遊んでいる。彼はでかいから、飛び込むとすさまじい。さっき我々を抜いていった3人 パーティーは、抜け口で呆れて見ている。 さあ、そろそろ遊びも終わりかと抜け口へ泳ぐ。しかし、後ろを振り返るとさっきまでいた江原 がなかなか来ない。そう、彼はやってしまった!メガネを水中に落としたらしい。釜近くで落とし たので流れもある。2人で付近を潜水する。何回か水底まで潜るもかなり深い。しかも、流れが あるのがよく分かる。メガネをかけている私も外して潜水しているため、横山やすし状態、どこ やどこやとよく見えない。やれやれ、メガネをしている人は気をつけましょう。 一ノ滝着。3人パーティーは右から取り付いている。我々は左から行けないかと見るも残置ピ ン有。大林リードで約40m。二ノ滝、これは問題なしで右よりノーザイル。その上で他のパーテ ィーはビバーク準備中。やはり、この付近が最適か。そして最後の核心、三ノ滝着。ここは右よ り落ちてくる三ノ滝沢が見事。江原リードで、下段右から15m。上段右よりスラブ約40m、そし て左の落ち口へ。 核心を終え、我々は源頭付近でビバークする予定だったが、そんな所はないではないか! 仕方なし、抜けることとし、沢をつめる。やがて、笹が広がりガスの国境稜線へ。ついでに肩の 小屋に寄る。管理人常駐にするため、改修工事中。そのせいか宿泊者少なし。水場を考え、 大障子ノ頭避難小屋まで歩く。先着有。我々は小屋の横にテント泊。 翌朝は、万太郎山、そして吾策新道を下る。帰りの道中、江原のメガネなし運転が、一番の 核心だったかもしれない。 <コースタイム> 8月31日(土) P6:58 ~ 取付8:00 ~ 一ノ滝上12:07 ~ 三ノ滝上13:55 ~ 肩の小屋16:09 ~大 障子避難小屋17:50泊 9月1日(日) 小屋7:50 ~ 万太郎山8:35 ~ 取付10:55 ~ P11:28
東京緑山岳会
阿能川本谷左俣
02年10月13日
大林(記録)
阿能川岳と言えば、谷川岳南面の残雪期に踏まれる山である。故に、遡行後のヤブコギが 予想されるも、本谷巡りだと思い直し単独で出掛けた。 最終水上行で、駅ビバーク。翌朝、水上と赤谷を結ぶ県道を登っていく。やがて、高速をくぐ った所が阿能川本谷だ。すぐ上に谷川岳PAが見える。 右岸の林道を進むと、やがて砂防ダム。右の斜面を巻き再び林道へ。本谷の二俣まで古い 山道が通っているらしいが、遡るにつれ荒れてくる。面倒くさいので、シューズに履き替え沢筋 を行く。左に何本か枝沢を見送り、二俣着。ここより左俣へ。 小滝を何本か越えていくと、伏流有り。そして、また小滝の連続である。と言っても、快適なフ ェースの小滝ではなく、ヌルヌルとコケむした滝。この沢は規模も小さく、岩がヌルヌルとして、 まるで奥多摩の沢のようだ。現によく滑ってすねを打った。 そして、唯一の滝、二段15m。ホールドなくヌルヌル、右より高巻く。再び二段5mも右より巻 く。やがて、沢幅も狭くなり両側は高い笹におおわれてきた。そして、ルンゼを忠実につめてい くと、いつのまにか源頭はなくなり、とうとうヤブコギ地帯に突入。稜線目指し笹をかき分けて進 む。 やっとこさで、木で密集された平らな所に出る。ここが稜線だろう。登山道はどこ?あるわけな い。稜線の向こう側がヤブでおおわれて見えない。かすかな甘い希望をたたれ、尾根を北へさ らに一番高い所を目指し進む。この辺がもう頂上だろうと笹をかき分けて探すと、ふと前の木 にかかっている阿能川岳の標識!木の手前、笹をかき分けてみると、ひっそりと隠れた三角 点。ヤブの隙間からは、谷川岳南面が見渡せる。いい眺めだ。 しかし、いよいよ下降が待っている。猛烈なヤブコギをしながらも稜線をはずさぬよう南下し て進む。笹は良いが石楠花の枝はかたく、それが見えなくてすねをよくぶつけるのだ。格闘の 末、ようやく鍋クウシ山くらいまでくると、道もはっきりしてくる。赤ペンキなどもあって、やれやれ だ。そして、赤谷越までくると、なにやらキーキーうるさい。なんとすぐ下の斜面にはサルの群 れではないか。そういや、行きの道中、村の看板にサルの被害どうたらと書いていた覚えがあ る。サルも勘弁してくれ。サルの群れを尻目に県道まで出て、駅を目指し、秋の夕暮れをのん びり歩いて下る。ちょうど一周する感じになる。 上越の小さい沢ではあったが、あのヤブコギがあったため、違う意味で印象に残る山行であ った。 <コースタイム> JR水上駅6:05 ~ 阿能川本谷二俣8:05 ~ 阿能川岳11:13―11:30 ~ 赤谷越15:35 ~ JR水上駅17:10
東京緑山岳会
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