2002年6月22日(土) 沢登り:東沢(奥秩父)東のナメ沢
メンバー:広島、江原
記録:大滝(300㍍)のみ
東のナメ沢の出合=大滝(F1)の取付きで登攀具をつける。チラッと見えた大滝は中間部を樹
林にさえぎられながらもちょっと意外なくらいの高さまでクネリと伸び上がっていた。その高さと
見事なスラブに登攀意欲が湧いてくる。傾斜のゆるい下部はスピーディーに登ろうと沢靴のま
まフリーで取付く。水流は、だだっ広く明るいスラブの中央部に幅1~2㍍程。シミだしもあまり
なくて快適だ。
・ 下部 :水流の右側を歩いて登っていたのだが、やがて… 足はこびが慎重になり → 四
つん這いになり → そのまま固まる という状況。油断出来ない。傾斜はないのだが高度感
が増すにつれて動作がぎこちなくなってしまう。ひび割れや草付をつなぎ水流の左側の狭いテ
ラス状まで登る。足元にハーケン(1本)。しばらく考えた後アンザイレンする。
・ 1p目、40㍍ : 水流の左側を直上から左上。間隔は広いが要所にはボルトが(中には新
しいものも)ある。傾斜を増したスラブはツルツルで沢靴のフリクションが全然信用出来ない。
頼りのひび割れも少なくひび割れから次のひび割れまでが核心。四つん這いのままズルズル
後退すると頭の中は真っ白!フェルト底でスラブをせっせと磨いているイメージがチラチラす
る。見上げた感じよりも難しくてザイルを付けて良かった!と実感した。A0しボルトに乗りして
何とかビレイ点へ。いそいそとフラットソールに履き替えた。(ザイルもダブルに切りかえる。)
・ 2p目、40㍍ : 水流のだいぶ左側のビレイ点から右上ぎみに登り水流の方へ進む。水流
のすぐ左でピッチを切る。フラットソールに履き替えたことで余裕が出た。フリクションが効くの
でそんなに慎重になる必要はないのだが、スタンスを探しながら登るのは楽しいのでじっくりと
岩を観察する。明るい陽射しの中の快適なピッチ。ところどころに草付(段差状)を交えて出合
を見下ろす高度感を楽しみながら登る。
・ 3p目、35㍍ : 水流のすぐ左を直上後、左上。スラブの突き当たりのような5㍍ほどの段
差の手前にあるしっかりした立ち木でビレイ。ボルトが1つしか見つからず緊張した。
・ 4p目、20㍍ : 前出の段差を越えたあと水流を横切りビレイ点。段差を越えると傾斜も弱
まり、左右の梢同士が届きそうなくらいスラブの幅も狭まる。豪快なスラブもどん詰まりだと思う
と少々名残惜しい。
・ 5p目、20㍍ : 殆ど草付で支点もなし。水流の右側、泥とコケで滑るスラブの末裔(?)を
慎重に登り立ち木でビレイ。頭上はうっそうとした樹林で覆われて普通の沢になる…。
長大なスラブに大満足。傾斜はゆるいのだが、支点が少ないせいもあり時々味わう「ヒヤリ」は
かなりリアルで味わい深かった。
東京緑山岳会
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