2003年8月10日~11日  横尾谷右俣
L:緒方 小保方  浜野  他1名

今回、集会の席で小保方さんから横尾谷右俣の沢登りに参加しないかと誘われビビリながら
も参加することにした。
当初、8月8日(金)の夜出発で2泊3日の山行予定だったが、台風のため出発日を一日遅らせ
9日の夜出発となった。

9日 23:30九段下駅集合、緒方さんの車で松本方面へ向かう。

10日 3:00頃、沢渡手前のダム(何ていう名前だったか・・・)の駐車場で幕営。
5:00過ぎに起床し、沢渡からタクシーで上高地に入る。7:00前には上高地に到着、のんびり歩
き 横尾山荘前で屏風岩を見ながら一休み。緒方さんにどれが緑ルートだとか雲稜ルートだと
か色々と教えていただいた。
山荘前の橋を渡り少し行った所で身支度を整え沢に入ろうということになった。
こんな中途半端な場所から沢に入る目的はというと・・・大きな声では言えないが、「お魚さん、
いないかなぁ~」などと考えたのである。

初めて沢靴を履いて水の中に足を踏み入れる。冷たくて気持ちいい!少し歩き、渡渉すること
になったのだが、前日の台風で増水しているらしく、流れが速い。腰までの渡渉で一同絶句。
水が冷たすぎて声が出ない。結局お魚さんは諦め、適当な所から登山道に戻って本谷橋を目
指した。ちなみに、上高地近辺では釣りは禁止されているらしいので、みなさん、悪いことは考
えないようにしましょう。
本谷橋を渡り、右岸の休憩地から沢に入る。台風一過の好天で沢の水が冷たくて心地良いが
油断していると冷たすぎてすぐ手足がかじかんでくる。開放的な雰囲気と景色を楽しみ、途中
で小休止を入れながらも夢中で登って行くと、やがて二俣に到着。ここからいよいよ横尾谷右
俣に入っていく。

二俣で休憩していると、両手にストックを持って、皮の登山靴を履いたニーチャンが登ってく
る。「どちらに行かれるんですか?」と聞かれたので「右俣です」と答えると、そのニーチャン、
ガッカリしたような表情になってしまった。どうやら左俣に行く予定だったらしいが、他に人がい
ないので不安になったみたいだ。左俣を見上げると、結構急に見えるし雪渓がビッシリ残って
いる。何の装備も持たずに行ってコケたらただじゃ済まなそうな感じだ。それにしても革靴で濡
れずに
よくここまで登ってきたなぁ。そういえばちょっと前に読んだ雑誌に「静かな秘密のルート」みた
いな特集が載っていて、
その中に横尾谷左俣が綺麗な写真とともに楽しげな感じで紹介されていた。それを読んで安
易な気持ちと普通の登山の装備で登ってきてしまったのだろうか。そういった記事を読んだ人
が安易に一般登山道ではないルートに入って事故が起こってしまう可能性もある。雑誌の記事
のありかたに少し疑問を感じた。

二俣での休憩後、右俣に入って行く。さっきのニーチャンは引き返して行ったみたいだ。だんだ
ん傾斜が急になっていき、自分の体力の無さを痛感する。途中一回だけザイルを出してもらい
ながらもなんとか急な傾斜を登りきり15:00頃右俣カールに到着。適地を早々と探し出しテント
を張る。こんないい所に来たのは初めてで、かなり感動してしまった。こんな広いカールを4人
で独占とは贅沢だ。高山植物を見たりしながら散歩がてらマキを拾い、焚き火もできた。21:00
頃就寝。

翌朝5:00起床、6時前には出発できた。ヨタヨタと雪渓を横切り、つまづきながらガレ場を歩き
最後の草の急斜面を登ること2時間弱、やっとの思いで横尾尾根のコルに到着。そこからは一
般登山道を歩き、小保方さんの膝の具合が良くなかったが駆け足気味で槍沢を下り、最後は
観光客並のスピードになりながら13:00前には上高地バスターミナルに到着した。

今回の山行では先輩方にはとてもお世話になりました。(毎回現役の先輩方にもお世話になり
っぱなしですが・・・)ペースの遅い自分に合わせて安全性重視でご指導していただきとても感
謝しております。また機会があれば是非ご一緒させていただけたらと思います。

教訓、ヘルメットは真っ直ぐ被らないと写真に写る時にダサイです。

東京緑山岳会