八ヶ岳/大門沢・赤岳東稜~石尊稜           広島・内田・逢沢(記)

3/24  赤岳東稜

今年は早くに谷川が入山禁止になったので、以前から気になっていた赤岳東稜に行くチャンス
が巡ってきた。前夜に小淵沢の駅で仮眠し、翌朝、秀峰の赤井さんと偶然にも出会い、しばし
の歓談の後、始発の電車で清里に向かう。そこからタクシーでスキー場まではいる。そこから、
県界尾根に向かったかすかなトレースを辿って大門沢沿いの道に入った。大林さんは最初の
一本で体調が悪くなってしまい、残念ながらここで引き返すことになってしまった。県界尾根の
分岐からはずれて大門沢を詰めて行く。今日は快晴で目指す赤岳東稜がよく見える。もしかし
て今日中にでも抜けられるのではないかと期待がでてくる。

さらに沢を詰めていくと右から間違えやすいといわれる枝沢が入り、左の本流をゆくといつの
間にか左岸が台地状になってくると二股も近い。二股はゴルジュ状で意外にもわかりやすい。
雪の状態がいいので右股に入り、奥の二股が見えるあたりから、左側の東稜に取り付く。樹林
帯の中は結構の急登だが雪質がしまっていたので助かった。冬きたらさぞかしラッセルが厳し
いだろう。右股をそこそこに詰めてから取り付いたので、案の定、一時間ほどで樹林帯を抜け
第一岩峰下についた。日差しはもう春そのものでとにかく暑くてたまらない。 広島さんが岩峰
基部を左に1Pトラバース。雪がグサグサになってきてだいぶ苦労していた。次いで自分が、短
いが草付き混じりのいやらしい岩場を登って、雪をくずして雪稜に出てピッチを切る。ここから
はきれいな雪稜で、ここからの赤岳の眺めは新鮮そのものだ。特に右手に見える、赤岳東壁
は結構な迫力で、左岩稜やセンターリッジは手強そうだ。 やせた雪稜をコンテですすみ第二
岩峰基部に到着。今日中に何とか抜けられそうだ。ここも、基部に沿って内田さんが40m左上
してダケカンバで切り、そこからもう1P草付きを直上して雪稜に出てビレイ。このへんは灌木
が多くビレイ点に事欠かない。そこから第三岩峰とおぼしき小さな岩場を登って竜頭峰直下に
でる。ここから40m登れば竜頭峰にでて終了。一息つけて、赤岳東稜と言うのだから頂上を踏
むに限るという、僕の主張に賛同して頂き、重い足を運んで頂上を踏んだ。 ブロッケンの祝
福を受けながら、行者小屋に向けて下った。

コースタイム
清里7:20→東稜取り付き10:00→第一岩峰11:30→第二岩峰14:00→竜頭峰16:20→頂上16:45
→行者小屋17:20


3/24  石尊稜

 僕と内田さんはまだ石尊稜を登っていないので、広島さんには申し訳ないが同行していただ
く。トレースを辿って取り付きに向かった。 取り付きのダケカンバの木で準備をして、正面のビ
レイ点のあるところから支点を辿って、直上してから左にトラバースしてのばせるだけのばして
灌木でビレイ。思ったよりいやらしく感じた。そこから稜上にでて、稜を辿る。途中きれいな雪稜
をへて、上部岩壁基部でビレイして、ホールドの豊富な稜を1P登って、ルンゼ状から岩混じり
の斜面を登って、稜線にでて終了。とりあえず今年の課題を終わらせて、次にどこに行こうかと考えながら、地蔵
尾根を下った。

コースタイム
行者小屋5:30→取り付き6:10→稜線9:45→行者小屋10:45

東京緑山岳会